これぞプロ!日本ハム・矢野コーチの声、子どもたちに知ってもらいたいプロの姿勢

[ 2020年10月5日 15:51 ]

日本ハムの矢野謙次外野守備コーチ兼打撃コーチ補佐
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 ちょっと話はさかのぼることになるが、9月18~20日の日本ハム―ロッテ戦を取材するために札幌ドームを訪れると、「おっ!」と思ったことがあった。

 日本ハムの矢野謙次外野守備兼打撃補佐の声だ。休養中だった飯山裕志内野守備コーチの代役として一塁ベースコーチに立っていた。

 一塁走者が出て、投手からけん制球をもらう際には球場全体に響く大声で「バック!」と叫んでいた。驚いた。こんな声が出るコーチは今まで一度も見たことないからだ。

 スタンドのファンも大喜びで、矢野コーチの雄叫びが響き渡るたびに、歓声が起こった。現在は飯山コーチも無事復帰し、あの声は聞けないが、北海道では地元メディアにも取り上げられて、随分と話題になったそうだ。

 今年はコロナ禍でプロ野球は無観客から始まり、今も人数制限しながらの開催となっている。スタンドからなじみの応援を聞けなかった一方で、普段では感じられない打球や捕球の音を楽しめたのではないか。

 同時に、野球をやっている少年少女には今回のような「声」を感じてもらいたい。自分が今年担当するロッテベンチもそうだ。試合中の井口監督は感染予防のためマスクを着用しているが、ナインはベンチに身を乗り出すようにして仲間たちを鼓舞し合っている。

 チームスポーツの良さ、そして原点だともう。

 プロ野球選手たちが1球1球、どれほど必死になっているか。今季も残り30試合前後となったが、そんな姿を実感してもらういい機会だと思う。(記者コラム・横市 勇)

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