広島・大盛 「気がついたら」一塁へダイブ 延長戦初勝利を呼ぶ決勝内野安打 

[ 2020年9月20日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-2ヤクルト ( 2020年9月19日    神宮球場 )

<ヤ・広13>10回2死二、三塁、二塁への適時内野安打を放ち、一塁へヘッドスライディングする大盛(撮影・吉田 剛)
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 広島・大盛は伝わる熱気に少しはにかんだ。

 「打席に入っているときから、すごく応援が伝わってきたので、打ててよかった」

 延長10回に決勝の内野安打。各球場の観客数上限が増え、神宮の1万3126人は6球場で最多だった。試合終了は6試合のうち最も遅い午後10時10分。待ちわびたファンの前で熱戦を繰り広げ、最後の最後でやり遂げた大仕事だけに余計にうれしかった。

 1点劣勢の8回には、堂林が鯉党でにぎわう左翼席へ、同点弾を届けた。そして延長10回、2死二、三塁で大盛が決めた。石山のフォークに2球空振りし追い込まれた後、4球目の高めに浮いたフォークを二遊間へ。「(8回1死一、三塁の)チャンスで三振してしまった。何が何でもという気持ちだった。打った瞬間に全力で走ろうと。気がついたらしていた」と頭から一塁に飛び込んだ。

 過去2敗8分けだった今季延長戦で11度目にして初勝利。チームにとって大きな1勝だったように、大盛にとっても大きな一仕事だ。昨年の同時期は育成選手として2軍で泥にまみれる毎日。「1軍の戦力にもなれるとイメージしてきた」と常に上を見続けて練習してきた。そのかいあって、ここ5試合連続で1番に抜てき。「もらったチャンスなので、がむしゃらに全力で毎日過ごすだけ」と定位置をつかむ決意で戦っている。広島ファンとともに、つかんだ1本、1勝でもあった。

 《12年の自己最多まであと1》堂林の一発がチームを救った。1―2の8回1死無走者から、清水の直球を左翼席へ。8月27日のDeNA戦以来、18試合72打席ぶりの13号で延長戦へ持ち込み、勝利へつなげた。それまでの3打席は走者を置いて結果を出せなかった中、起死回生の一撃。12年14本塁打の自己最多にも残り1本に迫った。

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