日本ハム・有原 今季初中5日で汚名返上の今季5勝目「今日は何としてもという気持ち」

[ 2020年9月20日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム7―3ロッテ ( 2020年9月19日    札幌D )

<日・ロ>8回無失点で今季5勝目を挙げた有原(撮影・高橋茂夫)
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日本ハムの有原航平投手(28)が19日、ロッテ戦で8回5安打無失点と好投し、今季5勝目を挙げた。前回登板の13日の楽天戦は9失点で2回1/3KO。66球での降板だったため、首脳陣からの今季初の中5日での登板打診を引き受け、昨季最多勝右腕が汚名返上の投球を見せた。クライマックス・シリーズ(CS)進出圏内の2位・ロッテに2連勝し、6・5ゲーム差に迫った。

 8回2死走者なし。打席にはこの日2安打1四球と全打席出塁を許している4番・安田を迎えた。カウント0―2から2球ボールが続いた時だった。この日から入場制限が緩和され、今季最多8740人のファンを集めたスタンドから自然発生的に大きな拍手が起きた。後押しを受けて投じた1球はこの日最速153キロ。ボールでフルカウントとなったが、手拍子が起きる中、最後は遊ゴロに仕留め、再び大きな拍手を浴びた。

 「本当にチームに迷惑をかけていたので、今日は何としてもという気持ちだった。絶対勝ちたいという気持ちを試合でうまく表現できた。たくさんの拍手を頂いて力をもらえました」

 自身最終回となった8回は、投じた直球5球全てが150キロ超。うち3球が153キロを計測した。先頭のマーティンには3ボールとしたが、9球を要しながらも空振り三振に仕留めた。栗山監督は「8回はよく粘った。最後は魂の部分の日だと思っていた。嫌な展開だったけど、有原があそこまで頑張ってくれて素晴らしかった。絶好調ではなかったけど、何が何でも抑えるんだという投球内容だった」と称賛。6回に代打で2点打を放った大田も「試合に入る前から気合が入っていて目付きが違った。頼もしいエースです」と、この日に懸ける右腕の様子を明かした。

 早大の後輩にあたる今秋ドラフト1位候補・早川が、東京六大学野球の明大戦で同じく1位候補の右腕・入江との「ドラ1対決」で9回1失点、17奪三振と好投して開幕戦に勝利。4球団競合の末に日本ハム入りしたドラフト1位右腕は、境遇が重なる。早川とは面識はないとしながらも「めちゃくちゃ球も速いし、変化球も凄いので楽しみ。まずは秋、優勝することを祈っている」とエールを送った。

 今季は開幕投手を務めながら精彩を欠いて出遅れ、ようやく手に入れた5勝目。「今日のような投球を続けてどんどん勝っていきたい」。逆転でのCS進出には有原の力は欠かせない。エース復肩を証明する、魂の121球だった。(東尾 洋樹)

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