土佐塾に両投げ両打ちの“四刀流”、寺田がブロック準優勝導く「強みだと思っています」

[ 2020年8月29日 18:37 ]

第64回高知県選抜高校野球大会 Bブロック決勝   土佐塾0―5高知中央 ( 2020年8月29日    高知市営 )

<高知中央・土佐塾>6回から救援した土佐塾・寺田啓悟
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 世にも珍しい“四刀流”の選手が、坂本龍馬を生んだ土佐の地にいる。2012年に県高野連へ新加盟した土佐塾の寺田啓悟(2年)はなんと「両投げ両打ち」の背番号「1」のエースだ。この日は「3番・遊撃」で先発すると、6回からマウンドへ上がり3回2失点。左投げと右打ちを披露する機会はなかったが、今大会の準々決勝・高知商戦では両投げ両打ちを4通り全てこなし、大車輪の活躍でブロック準優勝まで導いた。

 野球を始めた時から両投げ両打ちで、驚くことにサッカーでも「両蹴り」というから、合計すれば“六刀流”にもなるという。今大会でも個性を発揮。初戦の岡豊戦では右投げで170球近くを投げ完投し、次戦の高知商戦では両投げでまた完投した。「右で疲れたなと思っても、左で投げられる。準備に時間はかかりますが、自分の強みだと思っています」。左投げの制球力が課題だったが克服し、大きなケガもない。夢は広がるばかりだ。

 両投げ両打ちの選手として、近年では16年夏の甲子園に出場した鶴岡東(山形)の工藤大輔の例はあるが、稀有(けう)な存在であることは明らかだ。土佐塾の県大会最高成績は春、夏、秋も8強。明徳義塾、高知、高知商など実績豊富な強豪が立ちはだかるが、メリットを最大限に生かして“倒幕”を果たせるか。

 ◆寺田 啓悟(てらだ・けいご)2003年(平15)12月20日生まれ、高知市出身の16歳。五台山小2年のとき「五台山レッズ」で野球を始め、高須小4年から「高須ZION」へ。土佐塾中では軟式野球部に所属。土佐塾では1年夏から背番号「6」でベンチ入り。1メートル69、65キロ。両投げ両打ち。

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2020年8月29日のニュース