レッズ・秋山 二塁打2発含む3安打 メジャー投手への適用完成へ

[ 2020年7月14日 02:30 ]

紅白戦の第3打席でこの試合2本目となる右翼線二塁打を放ち、塁上で笑顔を見せる秋山
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 レッズの秋山翔吾外野手(32)の好調のバロメーターは右方向への強い打球にあり――。秋山は12日(日本時間13日)の紅白戦に「1番・左翼」で出場し、4打数3安打1打点だった。秋山を春季キャンプから取材してきた笹田幸嗣通信員(56)は右翼線に鋭く運んだ2本の二塁打に着目。メジャー投手への適応が完成しつつあることを感じ取った。

 第2打席。秋山は右腕・シムズの内寄りの直球を強振すると、ライナーで一塁線を破る二塁打となった。3打席目もリプレーのように右腕マーレから右翼線二塁打を放った。この2本の「右翼への強い打球」こそ、秋山のメジャーでの修正、調整が完成に近づいたことを物語るものだ。

 春のオープン戦でも28打数9安打、打率・321と結果は残していたが「ピシャッと打ったヒットはなかった。逆方向に打った安打もポイントが差されて(差し込まれて)行っちゃった方が多かった」と感覚の違いを話してきた。米国の投手が短い間合いで、独特なテークバックで投げ込むパワーボールに差し込まれ「ヘッドが抜けず気持ちわりぃー」と話していたが、この日の2安打は、奇麗にヘッドが抜けていた。

 キャンプ再開後は打席数を重視。紅白戦には5試合連続出場しチーム最多の15打席を消化している。その中で意識を変えた。「米国の投手に力負けしないように強く打ちたいから(バット)ヘッドを遠くから持ってきたい」という従来の取り組みから「ヘッドを左側(捕手方向)に寝かせる」。その中で力負けしないためには、自分の間合い、ポイントでしっかり球を捉えることだった。

 4打席目は右腕クーネルのチェンジアップを呼び込んで左前に運んだ。自分のポイントで打てれば、持ち前のバットコントロールが生きる。キャンプ再開後の最近3試合では10打数5安打2打点。デービッド・ベル監督は「彼には経験がある。1番打者が理想」と大きな期待をかける。日本で年間216安打のシーズン最多安打記録を樹立した男がメジャー1年目の開幕へ向け、結果を残せる実りあるステップを踏んでいる。 (笹田幸嗣通信員)

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