「父子鷹」それぞれの最後の夏　“離れ父子鷹”戦後初「3連覇」目指す花巻東・水谷　父は横浜隼人監督

花巻東の水谷と横浜隼人の水谷監督
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　戦後初の岩手「3連覇」を目指す花巻東の主軸・水谷公省外野手（3年）は横浜隼人の水谷哲也監督（55）の次男。岩手と神奈川で離れていても、節目ごとに励ましの言葉をもらってきた。今大会前には「背番号をもらったよ」と報告したという。「常にチームのことを考える4番になれ」という一言や甲子園中止決定時は「ピンチをチャンスに変えてこれからの野球人生に生かせ」。数々の言葉が支えだ。

　進学先を決める際には横浜隼人か、父の国士舘大の後輩で横浜隼人のコーチも務めていた佐々木洋監督率いる花巻東の2つで考えを巡らせた。

　「グラウンドでも家でも一緒となると、どう接すればいいのか考える部分もあった。県外で甘えられない環境に行こうと思った」と明かす。自立と成長を求めて親元を離れ、大きく成長した。「県外に来て、父の偉大さを再認識することができた。父は人の喜びを自分の喜びとする人。尊敬しているし、ああいう大人になりたい」と背中を見つめている。

　父は09年夏甲子園で花巻東と横浜隼人が対戦した時を振り返り「あの時、息子もスタンドで観戦していたんです。今、佐々木監督が当時の私と同じ年齢で、なんだか不思議な縁を感じている。学校は違うが、最後の夏を親子で頑張りたい」と感慨深げに語った。

　14日、県大会の初戦・大船渡東戦に臨む。公昇は「優勝したよと伝えられるように頑張りたい。高校野球が終わったら、ありがとうと感謝を伝えたい」。父も8月から神奈川代替大会だ。お互いの存在を支えに特別な夏を迎える。

　◆水谷　公省（みずたに・こうしょう）2003年（平15）1月12日生まれ、神奈川県出身の17歳。幼稚園から野球を始め小6時にDeNAジュニア入り。東野中時代は保土ケ谷ボーイズでプレーし、3年夏に関東大会出場。花巻東では1年秋からベンチ入り。2年夏の甲子園に出場。1メートル84、82キロ。右投げ左打ち。