阪神ドラ2・井上 ファンの前で甲子園4番デビュー 「元気ではつらつとした姿を見せられれば」

[ 2020年6月23日 05:30 ]

笑顔を見せながら練習に励む井上
Photo By 代表撮影

 阪神2軍は23日、チームにとってのウエスタン・リーグ開幕戦となるオリックス戦(甲子園)に臨む。未来の大砲候補として期待されるドラフト2位・井上広大外野手(18)が4番として公式戦デビューする一戦は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する中、有観客開催のテストとして実施される。来場協力するファンクラブ会員が見守る前で、力強くプロとしての第一歩を踏み出す。

 2軍は23日に、1軍より一足早く甲子園球場でオリックス戦に臨む。7月10日からの有観客試合に向け、ファンクラブ会員ら300名が来場協力。マスク着用やサーモグラフィーの検温など、感染対策を確認する。高卒ルーキーの井上にとっては、4番として公式戦デビューを飾る一戦。虎党、自身にとっても節目となる一日を前に、意気込みを明かした。

 「気合いが空回りしないように、まずはしっかりと準備をして、元気ではつらつとした姿を見せられればいいかなと思います。センターから中心に右方向へ強いライナーが飛んでいる。それがずっと続けられれば」

 自らの手で、4番の座をつかみ取った。プロ初出場だった2月15日の練習試合・四国銀行戦で、初打席初球本塁打デビュー。その後も快音を重ね、2軍の実戦30試合で6本のアーチを架けた。これまでの練習試合でも4番として英才教育を施してきた平田2軍監督にとっては、当然の起用といえる。

 「開幕3連戦、1軍をみてオーダーを組んでいる。鈴木誠也(広島)や岡本(巨人)を見てて、やっぱり井上には高い所での目標を持って欲しいと思って4番に据えるんだよ。チームを引っ張っていく、タイガースの柱になるような。今までは同期の石川昂(中日)に負けるなでやってきたけど、そうではなくて1軍レベルの生え抜きの4番を目指そうということ。そんな意識を井上に持たせたい」

 優勝した03年に1軍で4番を務めた浜中でさえも、高卒新人だった97年の2軍開幕戦は7番でのスタートだった。長い球団史を紐解いても、超異例のスタート。球界を代表するスラッガーを引き合いに出した平田2軍監督をはじめとする周囲の期待を受け止めるべく、井上も呼応した。

 「今も野球の動画とかを見ると、2人がよくホームランを打っている映像を見ていたんですね。いずれは同じ舞台に立ってプレーする、大きな選手になりたい」

 力強い言葉からは、スケールの大きさも感じられた。正真正銘の和製大砲候補。ファンの視線を久々に肌で感じながら、プロとしての新たな一歩を刻む。(阪井 日向)

 ○…履正社では3年春夏連続で甲子園出場。夏は決勝で星稜・奥川(現ヤクルト)から3ランを放つなど、26打数10安打(3本塁打)14打点、打率・385で甲子園初優勝に貢献した。今年3月7日の日本ハム戦(甲子園)で4回から右翼守備に就き、チームの高卒新人野手では07年の野原将志以来となるオープン戦出場で1軍デビュー。翌8日の巨人戦(同)では8回に鍬原から左越え二塁打を放ち、12球団の高卒新人最速となる適時打を記録した。

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