左脇腹痛の出遅れ取り戻す!広島・磯村、開幕延期をプラスに

[ 2020年4月25日 05:30 ]

広島・磯村
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 広島・磯村嘉孝捕手(27)が24日、2軍の大野練習場で1時間超の打撃練習に汗を流した。右の代打として地歩を築いた昨季の実績を踏まえ、スキルアップを誓った今春は左脇腹痛でまさかの出遅れ。現在は開幕延期をプラスに捉え、実戦を再開するその日に備えて必死に振り込む毎日だ。逆襲――。その2文字を胸に刻んでいる。

 寮生が休日で、通い組の投手、野手が汗を流した大野練習場。磯村は白浜、曽根とウォーミングアップを終えると、ブルペンで野村のフォーム、投球に意識を向けながらミットを構えた。投手のプラスを引き出すための工夫、気遣いだった。

 「いい時と悪い時を覚えておけば、バッテリーを組んだ時に助言できることがあるかもしれない。そういう思いで受けています」

 マスクを外すと、即座にバットを握った。野手は3人しかいないため、マシン相手のスイング量は半端ない。「今日はブルペンが早く終わったから特別長かった」と言う通り、延々60分。終了後はまた水本2軍監督とティー打撃に取り組んだ。

 「とにかく量を振って、いいフォームを体に覚えさせたい。キャンプでは打ち込みができなかったので…」

 奇禍は1月の自主トレ中に起きた。右脇腹に違和感を覚え、練習ペースを抑えて沖縄へ先乗りしたところ、逆の左脇腹に痛みが出たという。再発しやすい箇所。2月はリハビリに費やし、3月17日の教育リーグ・中日戦で実戦復帰を果たした。

 「この2週間でようやく思い切って振れるようになった感じ。だから、僕にとってはこの時間がすごくプラスです。打ち込んで体をなじませるのに」

 昨季は2本の決勝打を放つなど、右の代打として地歩を築いた。出場65試合、打率・278、4本塁打、21打点はいずれも自己ベスト。出場機会を増やすため、秋は一塁守備にも挑んだ。その歩みは奇禍で一時的に止まったが、取り組み方次第では開幕延期をプラスに転化できる。

 「ファームなので、練習試合再開の段階からアピールしていかないと。1軍に上がることが今の目標です」

 水本2軍監督は「努力家。本来なら戦力として1軍にいないといけない」とハッパをかける。遅れてきた27歳の逆襲。冷静に「不安です。僕はマイナス思考なので」と分析する精神性が、努力家を今日も突き動かす。(江尾 卓也)

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2020年4月25日のニュース