巨人・岡本 開幕も打撃も「待つ」 山なり遅球引きつけて“突っ込み”修正

[ 2020年4月15日 05:30 ]

ジャイアンツ球場の個人調整でボールを打ち込む巨人・岡本
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 山なりのスローボールを黙々と打ち返した。1時間もだ。巨人・岡本の目的は――。どっしり構えて「待つ」ことだった。

 「バッティング投手の球を打った時に、慌てて打ちにいってしまう感じがあったので」

 ジャイアンツ球場での個人調整。打撃投手相手のフリー打撃を終えると、室内練習場の奥に設置された打撃マシンに向かった。2日連続。前日も、皆が練習を終えた静けさの中で打球音を響かせた。

 球速は約30~40キロ。軸足である右足にグッと体重を残して2年連続30本塁打以上を放った男は、体が突っ込み気味になっていることを察知して修正を図った。遅球を引きつけ、タメをつくる。球が遅い分、自分のスイングを確認でき「だいぶ“待つ”感じが出てきました」とコメントした。

 待ち焦がれる球春到来にも泰然自若。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開幕が不透明な中でも「僕は何も考えません。“無”ですね」と、腰を据えた調整を行っている。

 同練習は丸も自主トレ期間中に実践。昨季は、ベンチでメモを取る先輩から投手の情報をもらい役立てた。オフに「いろんな情報をあげたのにお礼がなかった」と突っ込まれると、7歳年上に対し「丸さんの方がたくさんお金をもらっているので」と返答。このずぶとさで4番を張る。

 オープン戦では、13試合連続勝利なしの状況でもドンと構えた。3月11日ソフトバンク戦前の円陣。「まあ負け続けていますが気にすることなく…」と発すると、元木ヘッドコーチから「気にせえや」と横やりを入れられながらも「さあ行こう!」と声を張った。

 視察したその元木ヘッドが「まだ開幕は分からないから、気持ちの部分よりも動き(体)をしっかりとつくっておいてほしい」と求める中、4番の先輩・松井秀喜氏のような「不動心」を見せた。歓喜の開幕を静かに待つだけだ。(神田 佑)

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2020年4月15日のニュース