ヤクルト村上“怪童”中西太に王手!34&35号 最年少100打点も視界

[ 2019年9月17日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト6―4広島 ( 2019年9月16日    マツダ )

<広・ヤ25>8回無死、村上(右)は左越えにソロ本塁打を放ち、土橋内野守備走塁コーチとタッチをかわす(撮影・坂田 高浩)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(19)が16日の広島戦で自身の持つ10代の最多本塁打記録を更新する34号&35号を放った。今季2度目のマルチ本塁打。高卒2年目以内では歴代最多の中西太(西鉄)の36本にあと1本に迫った。さらに94打点とし、巨人・岡本が昨年22歳で記録した最年少100打点の更新も視界に捉え、阪神・近本とのハイレベルな新人王争いを制する。

 ベンチに戻った村上はひとしきり祝福を受けると、着弾点付近を見て笑みを浮かべた。会心の一撃は2点リードの8回。中村恭の外角低めの直球を逆らわずに強振すると、逆方向に飛んだ。左翼から右翼へと吹く逆風を切り裂き、左翼席上部への特大弾となった。

 「逆方向は少し意識していた。良いスイングで良い打球が飛んでくれた」。トドメを刺す35号ソロ。4回にも相手エースの大瀬良からバックスクリーン左へ34号ソロを放ち、14年から6年越しで12連敗していた天敵に初めて土をつけた。さらにウブロの高級腕時計もゲットした。シーズン序盤にバレンティンがしているのを見て「いい時計だね」とうらやましがると「35本打ったらプレゼントしてあげる」。通算1本で2年目を迎えた19歳は本当に打ってしまった。

 昨年、唯一放った一発は9月16日のプロ初打席初本塁打。ちょうど1年後、とんでもない成長を見せた。その陰には、小川監督の力添えもあった。指揮官は和製大砲候補を開幕スタメンで起用し、セ・リーグ5球団と一通り対戦してから、その後の起用法を決める方針だった。その“最終カード”となった4月14日の巨人戦で決勝ソロ。1軍で使い続けることを決断した。

 リーグの規定打席到達者でブービーの打率・233。三振は日本人歴代ワーストの175だ。それでも我慢して使い続け、村上も「三振を恐れて持ち味を失っては意味がない」とアーチを量産してきた。小川監督は今季限りで退任するが、村上は感謝の思いを胸に全136試合に出続け、2度目のマルチ弾。指揮官は「中堅と左翼への本塁打。理想的な打撃」と目を細めた。

 94打点とし、残り7試合。昨季、巨人・岡本が22歳で記録した最年少100打点の更新は可能だ。さらに新人王資格を持つ。リーグトップタイの33盗塁、同新人歴代2位の150安打をマークする阪神のルーキー近本とし烈な争いを繰り広げているが「結果はシーズンが終わったときについてくるもの」と貫禄たっぷりに言った。阪神とはあす18日から敵地で2連戦。「残り試合を全力でやるだけ。あさってから甲子園。しっかり準備したい」。直接対決でアーチを描き、新人王のタイトルを確実のものにする。 (黒野 有仁)

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2019年9月17日のニュース