レイズ対レッドソックス戦で選手交代を巡って紛糾 DH制で投手が一塁手を務めたために打順が混乱

[ 2019年7月25日 16:34 ]

審判団に抗議するレッドソックスのコーラ監督(AP)
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 フロリダ州セントピータースバーグで24日に行われたレイズ対レッドソックス戦が、指名代打(DH)の解除に伴う打順を巡って15分以上も中断するという前代未聞のハプニングに見舞われた。

 問題の場面はレッドソックスの攻撃だった8回表。レイズのケビン・キャッシュ監督(41)は、左打者のジャッキー・ブラドリーJR(29)を迎えたところで左腕のアダム・コラレク(30)を先発のチャーリー・モートン(35)に代わってマウンドに送り込んだ。

 これを見てレッドソックスのアレックス・コーラ監督(43)は右打ちのサム・トラビス(25)を代打で起用したがトラビスは一飛と凡退。このあとキャッシュ監督は再び動きを見せ、投手のコラレクを一塁に回し、右腕のシャズ・ロー(32)を3番手の投手として起用した。この時点でDHは解除。ローはムーキー・ベッツ(26)を左飛に仕留めた。

 もめ始めたのはここから。キャッシュ監督は次の打者、ラファエル・ディバース(22)を迎えたところで、一塁にいたコラレクを再びマウンドに戻し、一塁にはネート・ロウ(24)が入った。するとここでコーラ監督が、アンヘル・エルナンデス球審に詰め寄って猛抗議。レイズの打順を見ると、投手→一塁→投手と動いたコラレクが、DHのオースティン・メドウズ(24)に代わって3番に入っていたためで、コーラ監督は「コラレクが本来入るべき打順は、それまで一塁手(崔志萬)がいた9番だ」と主張して試合は15分も中断してしまった。
 
 AP通信によれば、エルナンデス球審は「交代選手の打順の指定がなかったのは当該監督のミス。しかしその場合には、球審に判断が委ねられる。球審の裁定は絶対だ」として変更を認めなかった。しかし審判団は、リプレー検証で使っているヘッドフォンで大リーグ機構の本部から判断を仰ぐなど、ア・リーグだけ採用されているDH制の不透明な?ルールを巡って困惑気味。コーラ監督はこのイニングが終了したあとも、エルナンデス球審に抗議し、試合は再び中断された。

 ただし、もしコラレクが一塁手だった崔志萬(28)に代わって9番に入った場合、DHを放棄しているにもかかわらず先発したメドウズが3番・DHで打順に残っていることになり、つじつまが合わないことも事実。コーラ監督はその部分については理解を示したが「そもそも投手がポジション・プレーヤーとなったところで(DH制では)不正な交代。混乱してしまったが、アンヘル(球審)の裁定には同意できない。だからどうなるのかを見極めるために抗議した」と食い下がった理由を説明した。

 なお試合はレイズが3―2で勝って58勝47敗。先発のチャーリー・モートン(35)は7回を5安打、2失点、11奪三振で今季12勝目(3敗)を挙げ、このシリーズのスイープ(3連敗)を免れた。レッドソックスは56勝47敗となった。

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