広島 8年ぶり10連敗 巨人とはついに10ゲーム差 東出コーチ「もう1本が…ね、難しい」

[ 2019年7月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―6中日 ( 2019年7月9日    ナゴヤD )

ベンチに座り、スコアボードを見つめる緒方監督(中)(撮影・椎名 航)
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 トンネルの出口が一向に見えない。広島は9日の中日戦(ナゴヤドーム)を3―6で落とし、2011年以来8年ぶりに屈辱的な10連敗(1分挟む)を喫した。谷間で先発した山口が1回3失点でKO。11安打を放った打線も1点劣勢の5回1死満塁で会沢、安部が凡退するなど、ここ一番で空回りした。首位・巨人とはついに10ゲーム差。後半戦に望みをつなぐ戦いが見たい。

 6月25日の楽天戦で勝利して以来2週間。リーグ戦再開に端を発した黒星街道は、11試合を消化しても終着点に達する気配がない。10連敗中だった楽天が勝利したため、交流戦明け未勝利は不名誉にも広島だけとなった。東出打撃コーチが厳しい表情で振り返る。

 「もう1本が…ね、難しい。去年は逆転できていたけど、今年はひっくり返すエネルギーがない。できることをやるしかない」

 いきなり3点劣勢の苦しい展開でも、打線は近況珍しく序盤から活発に打った。先頭・鈴木の左翼線二塁打を端緒に築いた2回1死三塁で、「後ろにつなぐ気持ちだった」という会沢がタイムリー。敵の先発・清水の低めカーブを捉えた打球は右翼線ではずんだ。

 1―4の3回にも快音は響いた。疲労蓄積で前日8日の1試合を欠場し、2番に戻った菊池涼の左前打から1死1死一、二塁の好機を築き、鈴木の強烈な三ゴロが敵失を誘う間に1点。松山も左翼線への適時打で続き、1点差に詰め寄った。

 最大の見せ場は5回だ。西川の中前打と四死球で1死満塁とし、中日ベンチは3番手の三ツ間にスイッチ。だが、打席の会沢は2ボールからの外角シュートを打って浅い右飛に倒れ、安部も初球の外角直球を積極的に振って一ゴロに終わった。

 「やっていくしかないので。頑張ります」

 選手会長は必死に声を絞り出す。投手が抑えれば打線が打てず、打てば打たれる負の連鎖を断ち切れず、屈辱的な10連敗。高ヘッドコーチは「結果だから仕方がない。受け止めて明日、球宴前の区切りだから勝って(連敗を)止めておきたい」と語調を強めた。

 「昨日と同様に、最後の最後まで全員で気持ちを向けて戦ったので、明日もそういう風に戦いたい」

 緒方監督も、感情の抑揚を見せることなく前を向く。借金は4に膨らみ、首位・巨人とは10ゲーム差。前半最終戦で黒星街道にピリオドを打ち、胸突き八丁の8月戦線に逆転への希望をつなぎたい。(江尾 卓也) 

 〇…広島の2桁連敗は、11年の10連敗以来13度目。また、5月には11連勝をマークしたが、同一年に2桁の連勝&連敗は67年大洋(10連勝、11連敗)以来52年ぶり。広島では初めてだ。なお、今季のセではヤクルトが16連敗、DeNAが10連敗を記録。セで同一年に3球団が2桁連敗は、8球団制だった50年に広島が13と12、国鉄が14と10、西日本が12を喫して以来69年ぶり2度目。6球団制が定着した53年以降では初となった。

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