阪神・福留、今季初猛打賞「勝つゲームを見てもらえるのはうれしい」

[ 2019年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―1DeNA ( 2019年5月4日    甲子園 )

ちびっ子とハイタッチをかわす福留(撮影・大森 寛明)
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 黄色く染まった甲子園で阪神・福留が子供たちの憧れとなった。右へ、左へ、真ん中へ。3回の先制打を含む3打数3安打1四球の大活躍。バリバリの昭和生まれの42歳が、今季初の猛打賞で格好良すぎる勇姿を見せつけた。

 「去年なかなか甲子園で勝てなかったこともあるし、その中でこうやって勝つゲームを見てもらえるのは、やっている選手にとってもうれしいんでね」

 2回先頭で右前打すると、3回は1死満塁の先制機で打席に立った。バリオスの外角チェンジアップに逆らわずにバットを出し、左前へ技ありの一打。6回に中前に3本目の安打を放ったところで代走を送られ、ベンチで快勝を見届けた。

 衰え知らずの大ベテランは、鹿児島県大崎町で育った幼少期から運動神経抜群だった。小学校時代、崖の上にある場所で遊んでいたところ友人に押されて数メートル下の道路に落下。「死ぬ前に思い出が走馬灯のようによみがえると言うけど、あの時は本当に時間がスローモーションで流れた」。幼心に死すら覚悟した状況でも、体が勝手に反応した。まるで猫のようにくるりと身を翻し、見事に足から着地。無傷で済んだという。

 プロ野球選手以外でなりたかったのはバスケットボール選手。当時はNBAのシカゴ・ブルズが全盛期で、マイケル・ジョーダンやスコッティ・ピッペンに憧れた。後にシカゴを本拠地とするカブスに入団。現地のゴルフ場でピッペンと偶然遭遇し、一緒に写真をお願いした。「最初は“誰?”って感じだったけど、カブスの選手と分かると急に態度が変わったわ」と笑いながら振り返る。

 メッセンジャーと上がったお立ち台では、女の子から「今年こそ優勝できそうですか?」と聞かれ「頑張ります!」ときっぱり。1男1女の頼れるパパが、年下ばかりの猛虎ナインを引っ張る。(山添 晴治)

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2019年5月5日のニュース