西武2位タイ浮上!金子侑が執念サヨナラ打「食らいついて何とかしたかった」

[ 2019年5月5日 05:30 ]

パ・リーグ   西武7―6楽天 ( 2019年5月4日    メットライフD )

11回2死二塁、サヨナラ打を放つ金子侑(撮影・吉田 剛)
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 西武は4日、楽天にサヨナラ勝ちして勝率5割に戻した。4―6の9回にエルネスト・メヒア内野手(33)の代打2ランで追い付き、延長11回2死二塁から金子侑司外野手(29)の中前適時打で試合を決めた。4位から一気に2位タイに浮上し、日本ハム、楽天に並んだ。2位以下が混戦の様相を呈している中で、昨季の王者が首位・ソフトバンクを追走する。

 弾む足取りで一塁を回ると、金子侑はサヨナラのホームに滑り込んだ中村を見届けた。6―6の延長11回2死二塁。楽天・宋家豪(ソンチャーホウ)の147キロ直球を詰まりながら中前へ運んだ。「食らいついて何とかしたかったから。本当にうれしい」。17年9月18日ソフトバンク戦以来、自身3度目のサヨナラ打。後輩の森に二塁付近で押し倒されても痛くなかった。

 浅村が楽天へFA移籍したため、昨季1番の秋山が3番で、金子侑は開幕から全試合で1番で先発出場。だが、打率は2割2分台と結果が伴わない日々が続いていた。

 「やらないと、監督に顔向けできない。毎日、自分のできることを精いっぱいやろう」

 その辻監督は試合中盤に代打を送ることも考えていたという。それでも4打席目の中前打で考え直し、劇的勝利につながった。「最後は金子の執念かな。結果が出ない中で一生懸命やってきたからね。詰まった当たりじゃないと、中村は(本塁へ)還ってこれない」

 2日の日本ハム戦前だった。他の打者が打撃練習中、ベンチにいた指揮官は金子侑が打撃ケージに入ると「さあ見るか!」と言って悩める1番打者に手取り足取り指導した。上位進出へ金子侑の復調は不可欠と信じていたからだ。サヨナラの場面、二塁走者・中村に代走を送らなかったのも「打球判断にたけている。走塁センスに懸けました」。勝負勘のある辻監督らしい決断。優勝した昨季は19勝6敗とカモにした楽天に今季は4連敗中だったが、その天敵から初白星を挙げ、再び勝率5割に戻した。

 金子侑の愛称は名前と足の速さからネコ。今月1日からは本拠地内で自身がプロデュースした「ねこの洋食弁当」が販売されている。7回には今季14個目の盗塁で2位に5差をつけ、リーグトップを走る。「塁に出て走るのが自分の長所。どんな時もその気持ちは忘れずにやっていきたい」。まさに勝利の招き猫だった。(伊藤 幸男)

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2019年5月5日のニュース