五十嵐「目頭が熱くなった」ヤクルト10年ぶり白星 かつての同僚・石井投手コーチの助言支えに

[ 2019年4月5日 22:47 ]

セ・リーグ   ヤクルト8―7中日 ( 2019年4月5日    神宮 )

<ヤ・中>勝利投手となりファンとハイタッチする五十嵐(撮影・村上 大輔)
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 10年ぶりに古巣に復帰したヤクルト・五十嵐が、09年10月7日の横浜戦以来、10年ぶりの勝ち星を手にした。「正直、立っていることが信じられなかった。(リハビリ中の)去年の今頃のことを考えたら、目頭が熱くなった」。本拠地のお立ち台では大声援を浴び、目を赤く腫らした。

 ベテランらしい安定した投球が勝利を呼び込んだ。1点を追う8回。阿部、亀沢、大野を三者凡退に斬った。かつてのような剛球ではないが、最速145キロの直球に、丁寧に変化球を散りばめた。直後に打線が逆転。勝利投手の権利を得た。

 9年ぶりに復帰したヤクルトでは、かつて「ロケットボーイズ」としてともにブルペンを支えあった石井投手コーチがいた。「ここ数年フォームに迷っていた。石井コーチのアドバイスを0から聞いている」。五十嵐の若い頃の投げ方も知っている貴重な存在。キャンプから二人三脚で取り組み、ブルペンでの投球練習時には「一球一球、“今のはどうでした?”と聞いていた」。成果は表れ「軸足から左足にしっかりと体重を乗せられるようになった」と開幕を前に理想の投球フォームを取り戻すことができた。

 打線は何度も追いつき、投手陣も粘投を続けた。チームは2カード連続で初戦に勝ち、単独2位に浮上。五十嵐には「オープン戦の最後から安定している」と小川監督の信頼も厚い。かつてはチームメートだった石井投手コーチとは、コーチと選手として立場は変わった。「新たに(ロケットボーイズを)結成したい」と笑った五十嵐。ウイニングボールを見つめ、大事そうにしまい込んだ。

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