巨人ドラ1高橋“運命的”1勝!大の虎党 伝統の一戦で快投

[ 2019年4月5日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人10―1阪神 ( 2019年4月4日    東京D )

阪神打線相手に力投する高橋(撮影・大森 寛明)
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 巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22=八戸学院大)が4日の阪神戦で6回4安打1失点でプロ初登板初先発で初勝利を手にした。大卒新人の初登板初勝利は60年の青木宥明以来59年ぶりだが、阪神戦では球団史上初の快挙。伝統の一戦では平成初となる阪神・浜地真澄投手(20)との先発デビュー対決を制した。 

 勝利の瞬間を見届けベンチを出た高橋は、原監督に肩を抱かれた。宮本投手総合コーチからハグされ、お立ち台に走った。

 「ここまで育ててくれてありがとうございました。これからは活躍して恩返しをしていきたい」。スタンドで見守った両親への感謝を4万4312人の前で真っすぐ伝えた。

 開幕ローテーション入りは確約されていなかった。オープン戦で一度でも崩れれば外される状況下で、結果を出し続けた。右打者にスクリュー、左打者にはスライダーを駆使し、東京ドームのマウンドに立った。

 初回2死二塁のピンチを背負った。続く4番・大山にも四球。だが「ちゃんと攻めたフォアボール」と切り替えた。5番・福留をスライダーで空振り三振でピンチを脱した。5回、坂本にソロは浴びたが、直後の代打・江越から6回先頭まで3者連続空振り三振。2段モーションで内角を強気に突く投球で2回以降は大きなピンチはなかった。「いつもより内角にいけた。勝てたことが良かった。正直ホッとしました」がプロ初勝利の感想だ。

 野球を始めたのは小学1年の春休みに家族旅行で米・ロサンゼルスを訪れ、エンゼルス対ドジャースを観戦したのがきっかけだった。中学では地元の茨城県内のシニアでプレーしたが、11歳下の弟は当時4歳で手がかかる時期。高橋は母・佳子さん(45)のため、親元を離れる 決心をし、東海大菅生に進学した。父が出張時には弟と高橋を車に乗せ、朝5時に家を出ることもあった母は毎日手料理をつくってくれた。佳子さんも「お母さんが大変になるんじゃないか。今思えば気を使っていたかもしれないですね」と振り返る。

 両親が阪神ファンだったこともあり、自身も縦じまのユニホームで観戦に行き、のめり込んだ。その阪神戦で、ルーキーが初登板初勝利するのは球団史上初の快挙。運命だった。

 6回1失点の好投に原監督は「1歩を踏み出した。自分に敬意というものを持ってまた2歩目を踏み出してほしい」と期待。来週以降は2週連続で5試合のため、一度、出場選手登録を抹消される。「いろいろな人の助けがあっての勝利。感謝して日々頑張りたい」。攻めの投球を貫いたルーキーは、優しく表情を崩した。 (岡村 幸治)

 ≪阪神戦で初≫新人の高橋(巨)が初登板で白星を挙げた。巨人新人の初登板初勝利は15年3月29日DeNA戦の高木勇(現西武)以来13人目。うち、左腕では00年4月6日中日戦の高橋尚成以来4人目。大学出身では60年4月3日国鉄戦の青木宥明以来59年ぶり3人目だが、左腕では初めてだ。また、巨人の新人が阪神戦でプロ初登板初勝利を挙げるのも高橋が初となった。

 ◆高橋 優貴(たかはし・ゆうき)1997年(平9)2月1日生まれ、茨城県ひたちなか市出身の22歳。田彦小3年から野球を始め、東海大菅生では1年夏からベンチ入り。3年夏は西東京大会準優勝。八戸学院大では北東北大学リーグの最多記録となる301奪三振をマークし、通算20勝12敗。1メートル78、82キロ。左投げ左打ち。

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