DeNA佐野、代打満塁弾!今季4の4 ラミ監督「アンビリーバブル!」

[ 2019年4月5日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA10―5ヤクルト ( 2019年4月4日    神宮 )

7回2死満塁、代打・佐野が中越えに満塁ホームランを放つ(撮影・篠原岳夫)
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 「代打・佐野」のコールが起これば、DeNAに何かが起きる。7回に1点を勝ち越し、なおも2死満塁。打席に向かった佐野は集中力を研ぎ澄まし、梅野の初球直球を捉えた。打球は一直線にバックスクリーンに吸い込まれる1号グランドスラムだ。

 「初球から思い切っていこうと思った。自分のスイングで完璧に捉えることができました」

 3年目で通算6本目の本塁打が自身初の満塁弾。これで今季は代打で4打席目だが、4打数4安打の「打率10割」で、8打点はリーグ単独3位だ。「本当に出来過ぎなくらいです」と控えめだが、ラミレス監督は、あまりの勝負強さに「アメージング、アメージング!ベンチから出てあれだけのことをやるのはアンビリーバブル!」と目を丸くした。

 昨季までは代打で悔しい結果に終わることが多かったが「それでも使い続けてもらい、準備の仕方や心構えを経験させてもらった」と少しずつ対応力を身につけた。多くの先輩からアドバイスももらい「いかに割り切るか。いい球が来たら打てないし、甘い球が来たら打てるように」とメンタル面も成長した。神宮は屋外ブルペン。相手の打順や準備をしている投手をチェックしながらイメージを膨らませ、巡ってきた1打席に懸けた。チームでは史上14人目の代打満塁本塁打となった。

 連敗を2で止め、勝率を5割に戻した。頼もしい「代打の神様」だが、佐野は「レギュラーを獲りにいきたい」と言い切った。定位置をつかむために、満足する気はさらさらない。 (町田 利衣)

 ≪チームトップ8打点≫佐野(D)が7回に代打で自身初の満塁弾。代打満塁本塁打は昨年8月1日ソフトバンク戦の森(西)以来。チームでは11年6月29日中日戦のスレッジ(当時横浜)以来14本目。うち、初球を打ったのは、03年7月18日巨人戦の小田嶋正邦(当時横浜)以来16年ぶり5本目となった。これで、佐野は開幕からオール代打で4打席連続打点付き安打の活躍。合計打点はチームトップの8と、少ない出番で驚異の勝負強さを発揮している。

 【佐野 恵太(さの・けいた)】

 ★生まれ&サイズ 1994年(平6)11月28日生まれ、岡山市出身の24歳。1メートル78、84キロ。右投げ左打ち。
 ★球歴 彦崎小1年から投手として野球を始める。広陵では2年春から遊撃手としてベンチ入りし、2年秋から捕手に転向。明大では2年春からリーグ戦に出場。4年春に2季連続ベストナインなど優勝に貢献した。16年ドラフト9位でDeNA入団。
 ★師匠は阪神・高山 明大時代は1学年先輩の阪神・高山俊の練習パートナーを務める。
 ★伯父は佐々木誠氏 母の兄が元南海、ダイエーなどで活躍した佐々木誠氏(現鹿児島城西監督)。17年の年始に帰省した際「最初の1年が勝負だと思ってやれ」とアドバイスを受けた。
 ★セ最後の指名 16年ドラフトでは支配下選手87人中84番目、セ・リーグでは最後の指名となったが、「下克上です」と反骨精神を見せた。

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