稲葉ジャパン不安の初黒星 “初モノ”対応できず8回までわずか1安打

[ 2018年11月8日 05:30 ]

侍ジャパン壮行試合   日本5―6台湾 ( 2018年11月7日    ヤフオクD )

<日本・台湾>5回2死一、二塁、藍寅倫(88)に3ランを浴びた岩貞(撮影・北條 貴史)
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 9日に開幕する日米野球に出場する侍ジャパンは7日、ヤフオクドームで台湾代表と壮行試合を行い、5―6で敗れた。5回に5点を失うなど劣勢の中、打線は9回に5得点したが、追い上げは及ばなかった。稲葉篤紀監督(46)はトップチームを指揮して6試合目で初黒星。日米野球を前に、大きな課題を残す一戦となった。

 打者一巡の猛攻もあと1点及ばなかった。9回先頭の田中広の二塁打を皮切りに5点を奪ったが、最後は一、三塁でその田中広が空振り三振に倒れた。

 「試合から遠ざかっている選手を優先的に出した。試合勘をまず戻そうと。9回に5点取れたのは次につながるんじゃないか」

 あくまで本番への調整であり、稲葉監督はさばさばと答えた。日本シリーズ組は疲労を考慮し、多くがベンチスタート。長く実戦から離れた選手たちのエンジンのかかりは遅かった。それ以上に「データも映像もない」状態で対した台湾7投手の小刻みなリレーに手を焼いた。

 8回まで田中和の1安打だけ。「こういう大会は初めての投手とやることが多い。そこを打たないと駄目」と柳田。日米野球でも、初対戦の猛者を打ち崩さないといけない。

 打開策の一つに、現役時代から国際経験豊かな稲葉監督は積極性を挙げた。「初見で、どんどん初球から振っていく姿が見られた。見ていくのではなく、振ってタイミング、軌道を確認してくれた」。打者38人中、ファーストストライクから打ちにいったのが16度。「これはこれでいいこと。続けたいし、各打者の対応力は見ていきたい」。積極性と、限られた機会を生かす対応力が重要と説いた。

 20年東京五輪でも、初見の投手への対応力は当然求められる。金メダルへの文字通り「試金石」となる日米野球で、解を得るべき課題が浮き彫りとなった。 (後藤 茂樹)

 ▼岩貞(3番手で5回に5失点を喫して黒星)今の球をそのまま表した内容。状態を上げていくしかない。

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