広島 FA権行使の丸に“最大限”条件提示 球団本部長「あとは待つだけ」

[ 2018年11月8日 05:30 ]

FA権行使を球団に宣言した広島・丸(撮影・後藤 正志)
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 広島・丸佳浩外野手(29)が7日、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することを表明した。広島市南区の球団事務所で手続きを済ませ、「プロ野球選手である以上、他球団の評価を聞いてみたい」と語った。球団は黒田、新井らと同様にFA宣言後の残留を認めている。丸に対しては巨人、ロッテが調査を進めており、争奪戦になりそうだ。

 午後1時過ぎ。報道陣に対応した丸は「他球団の評価を聞いてみたい。そういう機会はなかなかないし、頑張って取得した権利でもあるので」と決断理由を説明した。この種の囲み取材では異例のトレーニングウエア姿。淡々と言葉を続けた。

 「こんな下手クソを11年前に指名してもらい、ここまで成長させてもらった。球団には本当に感謝している。まだまだ野球人生は続くので、先のこともしっかり考えたい」。取材対応の前後には屋内などで自主トレ。丸らしい行動だった。

 昨季のセ・リーグ最優秀選手。腰痛を乗り越えて本塁打王争いを演じた今季も、打率・306、39本塁打、97打点をマークして3連覇の原動力となり、2年連続MVPの呼び声が高い。そんな主軸に、球団は誠意を尽くして慰留してきた。

 シーズン中の8月下旬、丸の代理人を交えて異例の早さで残留交渉を開始。以来、複数回に渡って話し合いの場を設けてきた。広島では過去最高額となる4年契約で出来高払いを含む総額17億円(金額は推定)を提示しているとみられる。

 かつての黒田、新井らと同様に、丸にはFA宣言後の残留も認める方針。鈴木清明球団本部長は「球団として最大限の提示をしているつもり。提示条件が変わることはないと思う。あとは彼が宣言残留してくれるのを待つだけ」と語った。

 「球団は高い評価をしてくださった。そこは感じている」と丸は言う。「そういうやり方も選択肢の一つ」と語っているように、FA宣言イコール移籍ではなく、球団史上初の宣言残留の可能性はある。一方で譲れない条件があるのも確かだ。

 「自分1人の問題でもないので、早い段階で決められればいい」

 攻守走の三拍子そろう丸に対しては、巨人やロッテが20〜30億円規模の大型契約を用意していると伝わる。鈴木球団本部長が「代わりはいない」と言うように、流出となれば痛手は計り知れない。丸の決断が注目される。(江尾 卓也)

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2018年11月8日のニュース