大谷 早期復帰も ソーシア監督「楽観視」月末にも再検査で方針決定

[ 2018年6月20日 05:30 ]

インターリーグ   エンゼルス4―7ダイヤモンドバックス ( 2018年6月18日    アナハイム )

<エンゼルス・ダイヤモンドバックス>ベンチから試合を見守る大谷(AP)
Photo By AP

 エンゼルスの大谷翔平投手(23)は18日(日本時間19日)、右肘の内側側副じん帯損傷の故障後、初めてチームに合流した。別メニューでランニングや左手一本での打撃練習などを行い、ダイヤモンドバックス戦はベンチで最後まで声援を送った。直接報告を受けたマイク・ソーシア監督(59)は経過を前向きと評価した。今月末にも行われる再検査で今後の方針が決まる。

 時折笑みを浮かべ、体を揺らしながら、大谷はベンチの前列から声援を送っていた。右肘を負傷した6日のロイヤルズ戦以来、12日ぶりに公の場に姿を現した。言葉を残すことはなかったが、表情に暗さはなく、むしろ普段通りに明るかった。

 「最初はがっかりしていたようだが、1週間治療を受けて今では(リハビリの)課程をよく理解できている」

 試合前に直接会話をしたというソーシア監督が、大谷の様子を明かした。この日も別メニューだが、グラウンドでランニングを行い、ケージで左手一本でトス打撃を行った。

 筋力維持へのトレーニングも治療と並行して続けている。7日に組織の修正を図るPRP(多血小板血しょう)注射を受けた。ノースローのまま、その3〜4週間後となる今月下旬か、もしくは7月上旬に再検査し、その後について決める方針。「今からだと2〜3週間後。今は“セイゲン”されているが、もしかしたら“セイゲンナシ”になるかもしれない」と同監督は日本語を交えながら笑顔で続けた。

 一部米メディアで、全治1年以上となる右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の可能性が高まったと報じられ、直後に球団幹部が否定するなど、米国でも周囲の注目は高い。指揮官は治療法の選択も含め「我々の医療スタッフは経過をとても前向きに、楽観視している」と強調した。片手での打撃練習についても「彼は全く違う2人の選手が存在しているようなもの。ただ、一つの役割がもう片方に悪影響を与えるようなことはない」とした。

 足踏みを強いられた大谷だが、律義さは変わらない。試合前にはダ軍の平野の元にあいさつへ。「彼がわざわざあいさつしたいと言ってくれて、うれしかった。顔は元気そう。可能性に満ちた選手。しっかり治してきてくれると思う」と平野も話した。

 前向きさと明るさと、実直さは失わない。再検査、そして、方針が決まるまで、今できることを継続する。(アナハイム・後藤 茂樹)

 ≪大谷故障の経過≫

 ☆6月6日 本拠地ロイヤルズ戦で右手中指のマメを悪化させ4回1失点で降板。その後「アドレナリンが治まったら肘が張ってきた」と訴える。

 ☆同7日 敵地ツインズ戦には同行せず、ロサンゼルスで「PRP注射」を受ける。

 ☆同8日 右肘の内側側副じん帯の損傷で自身初となる10日間の故障者リスト(DL)入り。

 ☆同10日 3日間の安静を経て治療とリハビリを開始。

 ☆同11日 米スポーツ専門局ESPNが「多分、肘の手術が必要になるだろう」と報じる。

 ☆同14日 米スポーツサイト「ファン・ラグスポーツ」が「じん帯損傷は“新たな”もの。入団前のものとは無関係」と報じる。

 ☆同15日 ソーシア監督が本拠地で左手だけでの打撃練習を開始したことを明かす。(日付は米国時間)

続きを表示

2018年6月20日のニュース