温泉旅館に下宿 小鹿野の「山村留学制度」

[ 2018年6月20日 07:00 ]

高校野球の今、そして次の100回へ(3)

2、3年生が宿泊する両神荘の一室で食事する小鹿野ナイン
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 埼玉県西部の小鹿野町唯一の高校、小鹿野も「町おこし」に貢献している。人口1万1864人(6月1日現在)の山あいの町。部員が自転車でイノシシと衝突したり、グラウンドにキジが乱入したこともある。12年から県内で唯一「山村留学制度」を利用する。

 丹羽俊亮監督(25)は「町の人口が減る中、いい取り組み。町のみんなが野球部を応援してくれる」と感謝した。通学に2時間以上かかる生徒らを町内に下宿させる制度。12年から外部コーチを務める早大、プリンスホテルの元監督で巨人フロントの経験もある石山建一氏(75)は「最初は(部員)5人で大変だったけど徐々に増えて強くなってきた」と言う。

 部員28人中14人が山村留学生で「旅館のサポートが大きい」と丹羽監督。温泉旅館「須崎旅館」と国民宿舎「両神荘」に宿泊し、食事は2合のご飯に納豆や卵がつくなど「食トレ」になる。当時、生徒受け入れを決断した須崎旅館「大女将」須崎安子さん(80)は「小鹿野高校を残さないといけないと思った」と話す。町が野球部を支え、野球部が町を盛り上げる。両神荘の「宿舎リーダー」秋元蓮外野手(3年)は「夏の結果で恩返ししたい」と誓った。 (渡辺 剛太)

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2018年6月20日のニュース