【田淵幸一 視点】ユーティリティー能力は大きな武器に

[ 2017年11月20日 08:30 ]

アジアチャンピオンS決勝   日本7―0韓国 ( 2017年11月19日    東京ドーム )

<日本・韓国>韓国を相手に力投する日本先発の田口
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 何より、若い選手が日本らしい野球を貫いて優勝したことを称賛したい。韓国との一番の差は投手の制球力。簡単に四球を出さず、内角を厳しく突くこともできる。韓国の野球は打高投低。レベルの差は明らかだった。

 初回、田口は先頭・朴ミン宇(パク・ミンウ)に3ボール1ストライクとした。16日の試合では2安打3四球の1番打者。塁に出したくない局面で、左腕は粘り負けしなかった。5球連続でファウルされながら、際どいコースに投げ続けて10球目を投ゴロ。投手力を前面に出した守りの野球は日本の最大の武器だ。これは私が代表コーチだった08年北京五輪から変わらない。

 攻撃面での差は外崎のような存在だろう。初対戦の投手が多く、一発を絡めた大量点はなかなか期待できない。活路となるのが逆方向への打撃であり、足だ。広角に打てる外崎は俊足で高い守備力も誇る。3年目の24歳は今大会の大きな収穫。北京五輪では中日・荒木らに加え、現役だった稲葉監督自身が高いユーティリティー能力を誇った。3年後へ、指揮官が日本らしい野球をどう磨き上げていくか、楽しみにしたい。(スポニチ本紙評論家)

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