阪神ドラ4島田 藤浪に挑戦状 5年前の“雪辱”で開幕1軍や

[ 2017年11月13日 05:30 ]

プロ1年目の目標を書いた色紙を持ち、ダッシュのポーズをとる島田
Photo By スポニチ

 阪神からドラフト4位指名を受けた島田海吏外野手(21=上武大)が12日、群馬県高崎市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金5000万円、年俸800万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ。九州学院2年春の選抜大会では来季から同僚となる藤浪と対戦して2打数無安打の完敗。当面の目標に掲げる開幕1軍へ向けて来春キャンプでの再戦へ“挑戦状”を叩きつけた。

 島田は来春にチャンスが訪れる可能性の高い7年越しの雪辱へ早くも燃えていた。5年前には歯が立たなかった“強敵”にどこまで通用するのか。試金石として藤浪との再戦を心待ちにした。

 「皆さんすごい投手ばかりだと思うので。まずはプロの投手の球に振り負けないような体作りやスイングの強化を今のうちからしていかないと間に合わないと思う」

 九州学院2年春に出場した甲子園球場での選抜大会。1回戦は4打数2安打で突破し、2回戦で同年の春夏連覇を果たすことになる大阪桐蔭と対戦した。1学年上のエースだった藤浪に対して2打数無安打。9回には代打を送られ、敗れた。打席で受けた衝撃がプロを目指す道標になったという。

 「格が違いすぎて、その時は手も足も出ない状況で…。このクラスの球を打てるようにならないとプロでは活躍できないという思いが芽生えました。その経験があったので、大学に行ってさらにレベルアップしないといけないなと思いました」

 金本監督は今秋ドラフトで指名した高校生と育成枠以外の即戦力候補5人を来春の沖縄キャンプに同行させる方針を既に示唆。年明けの新人合同自主トレで順調に認められれば、2月の沖縄宜野座でシート打撃や紅白戦で藤浪と再戦する可能性は十分にある。練習が厳しいことで知られる上武大の4年間で徹底的に鍛え抜いた成果を確かめる格好の機会になるというわけだ。

 仮契約を終えて色紙には「開幕1軍」と書き込んだ。「キャンプでアピールするしかないと思う。キャンプには万全の状態で入れるようにしていきたい」。既に自慢の脚力はアピールするまでもなく金本監督の耳に入っている。打力でも認められれば、当面の目標に掲げた開幕1軍はグッと近づく。「走攻守そろった選手になるのが目標なので。そして、5年後、10年後になったときに阪神の中心選手として試合に出られるようになりたい」。思い描く未来図の第一歩として“藤浪打ち”を胸に誓った。(河合 洋介)

 ▽12年選抜大会の島田VS藤浪 3月27日の2回戦で対戦。九州学院・島田(2年)は「8番・右翼」で先発し、大阪桐蔭・藤浪(3年)の前に3回=三振、5回=中飛、7回=投犠の2打数無安打だった。一方「8番・投手」で先発の藤浪は完投で6安打3失点。打撃でも7回のバックスクリーン左への甲子園初安打初アーチと9回適時二塁打で4打数2安打2打点。試合は大阪桐蔭が2点を追う6回に笠松(2年)の3ランで逆転。藤浪の2度の加点と力投で5―3で逃げ切った。

 ≪島田 海吏(しまだ・かいり)≫

 ☆生まれとサイズ 1996(平8)2月6日生まれ、熊本県宇土市出身の21歳。1メートル75センチ、72キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 小4から「宇土イースターズ」で野球を始め、外野手と投手を兼任。中学時代、鶴城中で軟式野球部に所属。九州学院では、2年春の選抜で全2試合に「8番・右翼」で出場。上武大では2年春から正中堅手で5度の全国大会出場。昨年の日米大学野球と今夏のユニバーシアードで侍ジャパン大学代表に選出。

 ☆驚異の脚力 中学時代は陸上大会にも参加し、100メートル11秒1で熊本県大会を優勝。全国大会では予選で現在日本記録保持者の桐生祥秀に先着。「桐生君が故障していたのか本調子ではなかったので、勝ったという認識はない」と必ず答えるようにする謙虚な一面もある。

 ☆目標の選手 元阪神・赤星憲広選手。「いつか赤星さんを超えられるように」と意気込む。

 ☆大山と親交 大学3年時に選出された侍ジャパン大学代表で現阪神・大山と同僚。ドラフト指名後には大山から「これからよろしく」とLINEが入った。

続きを表示

2017年11月13日のニュース