阪神・秋山 不完全燃焼の74球「信頼してもらえるよう努力」

[ 2017年9月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―2巨人 ( 2017年9月14日    甲子園 )

力投する阪神・秋山
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 手にしていた白星は、無情にもこぼれ落ちた。阪神・秋山は6回4安打無失点と完璧な仕事を果たして降板しながら、リリーフ陣が同点に追いつかれ、13勝目は幻に終わった。

 「その(7回も続投する)つもりでいたけど、そういう判断だったので」

 試合後、力投の充実感よりも、悔しさが表情ににじみ出た。開幕から先発ローテーションを守り奮闘を続けてきた男にとって、74球は余力を残しての交代。もっと投げたかった―。不完全燃焼の思いは、時間を追うごとに増していった。

 投げ合う相手にも闘志がたぎった。巨人のエース菅野と今季3度目のマッチアップ。過去2戦は1勝1敗で、前回対戦は5月23日。春に先発6番手だった男は、今や大黒柱。成長した姿を見せつけたかった。

 「いろいろしっくりこないことも出てくる」と、初回から本来のノーワインドアップではなく、セットポジションから腕を振りテンポを意識。初回にもらった2点の援護を、必死に守った。

 6回1死二塁で坂本勇を一邪飛に仕留め、投球回が143イニングを超えプロ8年目にして初めて規定投球回に到達した。キャンプ中から密かに目標に掲げていた節目を通過点に、菅野に投げ勝つ夜のはずだった。

 「信頼してもらえるよう努力していく」

 13勝目こそ逃したが、今の先発陣で揺るぎない柱であることは、誰もが感じたはずだ。試練を成長の糧にできる男だ。互いにクライマックスシリーズに進出した際には、再び、投げ合う可能性も十分にある。さらなる高みを目指し、エースへの道を歩んでいく。 (遠藤 礼)

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2017年9月15日のニュース