阪神、胴上げ阻止も痛恨ドロー 金本監督「勝ちたかったけどね」

[ 2017年9月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―2巨人 ( 2017年9月14日    甲子園 )

10回、代打・陽川を告げる金本監督
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 阪神は押し気味に進めた延長戦も決勝点を奪うことはできず痛恨のドロー。延長12回2死一、二塁から代打・江越が中飛に倒れ、4時間3分の激闘を終えた金本監督は疲れた表情で重たい口を開いた。

 「なかなかね…。向こうもピッチャーがいいし。勝ちたかったですけどね」

 本音としては勝てる一戦、いや、勝たなければいけない試合だった。難敵・菅野に対し初回1死一塁から糸井が11球粘った末に11試合連続安打となる左前打で好機拡大。2死二、三塁となりルーキー大山が1ボールから152キロツーシームを仕留めた。左前に抜ける2点適時打。初対戦で相手エースを打ち砕き5月9日の4回から右腕相手に続いていた無得点を12イニングで止めた。

 「いい投手なので、どんな形でも先制点を取ろうと思い、必死に打ちにいった。抜けてくれて良かった」

 大山は6回の守備では1死二塁から坂本勇の一塁側カメラ席前の飛球を好捕すると、三進を狙った二塁走者・マギーを刺すべく、すばやく送球し併殺を完成させた。猛虎に流れが向いているはずだっただけに、自慢の救援陣が同点に追いつかれたのは大誤算だった。

 13日の敗戦後、「総力戦で何とか勝ちたい」と話していた糸井は3安打を放つなど有言実行で気を吐いたが、試合後は悔しさを物語るように無言を貫き選手ロッカーへと足早に歩を進めた。

 「チャンスを作って初回に2点を取れたんでね。そこは良しとして。ただ、その後にどうしても追加点がね」。金本監督は簡単ではないとしながらも、4回1死二、三塁の好機で追加点を奪えなかったことを課題に挙げた。一方で、甲子園では14年から黒星を付けられず通算5勝を献上している天敵相手に粘りを印象付けた。今後はクライマックス・シリーズで対戦する可能性もあるだけに序盤の攻撃は希望となったはずだ。

 「もう、ひと踏ん張り。最後までね。ギアを入れ替えて頑張ってほしい」。指揮官は投手陣だけでなく、あらためてチーム全体を鼓舞した。12年連続V逸が迫るが、残り試合を全力で戦うことは未来につながる。広島に簡単には胴上げを許さなかった意地のドロー。この意味は次戦の結果で証明する。 (山本 浩之)

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2017年9月15日のニュース