“戦友”城島健司氏が特別寄稿 井口さんは右方向への打球も世界一

[ 2017年6月21日 10:30 ]

10年交流戦、捕手・城島の阪神との対戦で強烈な右打ちを見せる井口
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 日本人初のメジャー捕手である元マリナーズ、阪神の城島健司氏(41)がスポニチ本紙に特別寄稿した。井口とともにダイエー(現ソフトバンク)で3度のリーグ制覇と2度の日本一を達成。城島氏にとって井口は「戦友」だった。

 井口さんは僕の2歳上。入団は僕が早いけど同じ若手としてホークスが強くなる時期に互いを高め合った。同じ右打者で打撃の考え方に似たものがあった。2人とも打率と本塁打の両方に強いこだわりがあった。

 03年に金森栄治さん(当時ダイエースコアラー兼打撃補佐)と出会って、僕たちは急激に伸びた(同年に打率・330、34本塁打を記録。井口は打率・340、27本塁打)。春季キャンプでは井口さんとセットで早出特打から居残り特打、宿舎でミーティングもやった。右打者としての理論を体に叩き込ませるまで、本当に練習した。2人とも若かったからね。あの年が自分にも井口さんにもターニングポイントだったと思う。

 僕が06年にメジャーへ行くときも相談したし、井口さんが1年先に行っていたので、1年目の打撃成績は自分が挑戦するときの目安にもなった。いい競争相手だったし、僕たちは戦友だった。

 打って、守って、走るのが僕らの野球だった。DHや代打での出場機会が増え、井口さんは本来の野球ができていないもどかしさがあったと思う。僕からすればよくここまでやれるな、長すぎじゃない?と思う(笑い)。

 井口さんの凄さは右方向への打球。僕も十数年プロで野球やったけどどの球団にも比べる相手さえいなかった。右方向の打球で井口さんと争うことは無理だね。今季中は現役でしょう?まだお疲れさまは言わないよ。 (元ソフトバンク、マリナーズ、阪神捕手)

 ▼金森栄治氏(ノースアジア大野球部コーチ。ダイエー時代に指導)身体能力が高く、野球に取り組む姿勢も熱心だった。大学時代の中堅から右方向にいい打球を打つ映像を見て「こういう打撃をしよう」と話した。日米での経験を次の世代に伝えてほしい。

 ◆城島 健司(じょうじま・けんじ)1976年(昭51)6月8日、長崎県佐世保市生まれの41歳。大分・別府大付(現明豊)から94年ドラフト1位でダイエー入り。06年にマリナーズに移籍し、日本人捕手として初めて大リーグでプレー。10年に阪神入りし、肩の負傷が悪化したことで12年に現役引退。日米通算1785試合出場、打率・289、292本塁打、1006打点。現在は釣り番組などに出演中。

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