介護福祉士の力に…日本ハム・谷元の社会貢献 試合招待で「楽しんで」

[ 2017年6月21日 11:30 ]

招待したファンと笑顔で握手する日本ハム・谷元
Photo By スポニチ

 日本ハムの中継ぎ右腕・谷元が、6月6日の広島戦から北海道内の介護福祉士を札幌ドーム主催試合に招待する社会貢献活動「アナたにもんシート」をスタートさせた。「北海道介護福祉士会」の登録者が対象。応募者の中から抽選で球場に毎試合1組2人をシーズン終了まで計35試合に招待する。

 きっかけは「(三重県の)実家に帰った時」だった。谷元の母は約3年前から祖父の介護を行っており、日中はデイサービス(通所介護)で介護福祉士のサポートを受けた生活を送る。谷元は「(3月の)オープン戦で伊勢に行って、実家にも寄ったけど、正月の時より(祖父の)病状が悪化していた」。プロ野球選手として何か出来ることはないか。介護福祉士の絶対数が不足していると知り、「アナたにもんシート」の設置を決めた。

 「この先、高齢者も増えていくので(介護福祉士の)絶対数が必要になる。そこが増えていかないと今、働いている一人一人の仕事量、負担が大きくなる。少しでも僕を通じて知ってもらえればいいなと思った。(球場に)来て楽しんで頂きたい」。介護福祉士として働く人々に野球観戦を通じてリフレッシュしてもらい、明日への活力にしてもらいたい。そんな思いだった。

 谷元は祖父について「口数も少ないし、どちらかというと厳しかった。テレビでは(自身の投球を)見てくれていたみたいだけど」と、思いを巡らせた。昨季まで3年連続50試合以上を投げ、今季もここまで29試合に登板。孫の活躍は何よりも励みになっているはずだ。6月21日にも国内フリーエージェント(FA)権を取得予定の32歳。心優しき男のマウンドでの奮闘ぶりにもあらためて賛辞を贈りたい。(記者コラム・柳原 直之)

続きを表示

2017年6月21日のニュース