浪商 38年ぶり夏へ気合「大阪桐蔭、履正社の記事は読み飽きた」

[ 2017年6月21日 05:40 ]

38年ぶりの夏切符を目指し、四田監督の言葉に聞き入る大体大浪商の選手たち
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 今春の選抜王者・大阪桐蔭が史上初となる2度目の甲子園大会春夏連覇を目指す戦いが始まる。選抜史上初の大阪決戦に敗れた履正社の逆襲はあるのか。この2強を追う1番手は古豪、大体大浪商だ。20日にあった大阪大会の抽選で1回戦(7月15日・久宝寺)の相手は藤井寺工科に決まった。

 史上初の大阪決戦となった今春の選抜。大阪桐蔭が履正社を破り、春2度目の頂点に立った。その決勝戦後、大体大浪商の四田勝康監督(60)は部員に語りかけた。

 「壁が分厚いのは百も承知や。そんな中で戦えることを誇りに思え。大阪桐蔭に履正社。この2校に勝たんと、夏の甲子園は見えん。それが大阪なんや。大阪で戦うことは値打ちがあるんやぞ」―

 指揮官の言葉に選手は奮い立った。春の近畿大会1回戦は大会史上初のタイブレークを制し、智弁学園に延長14回サヨナラ勝ち。主戦の宮本が13回1失点、192球の力投で勝利を呼び込んだ。四田監督が「辛抱強くなった」と手応えを示した一戦だ。11番を背負う田村も春に急成長し、ダブル左腕で戦国大阪を勝ち抜くイメージは膨らんできた。

 大阪桐蔭と履正社。大阪で戦う以上、避けては通れない相手との戦いで宮本は生まれ変わった。昨秋の大阪大会4回戦・履正社戦は腰痛を抱えながら先発。初回に石田、若林、竹田に本塁打を浴びるなどコールドで大敗した。「一番悔しい試合」と心に刻む敗戦こそ左腕の原動力だ。試合直後に病院へ直行。腰椎分離症と診断された。万全の状態で挑む今夏。「竹田に投げ勝つ」と闘志を燃やす。

 「苦手意識がない」と話す相手が大阪桐蔭だ。昨年9月11日の練習試合は11―5で勝った。宮本は7回を被安打0に封じた。3失点したが、すべて失策が絡んだもの。10年就任の四田監督にとって大阪桐蔭戦の勝利は初めてだった。今春の大阪大会決勝でも8回からの2回を無失点。「存在は大きいですが、2校を倒すためにやってきた」と意気込む。

 春夏ともに2度の全国制覇を誇る古豪。夏の甲子園は、牛島―香川のバッテリーを擁して4強入りした79年の出場を最後に遠ざかる。宮本は「古豪と言われますが、そう言われることは今は強くないというイメージ。僕たちの代で復活させたい」と話せば、木村主将も「ことしこそはという思い」と続いた。

 15年夏の決勝は大阪偕星学園に1点差で惜敗した。昨年は5回戦で寺島(ヤクルト)擁する履正社に0―2で敗れた。「土俵には乗っかってきた。最後の壁やけど、一つ飛び越えてもうたらね。もう大阪桐蔭や履正社の記事は読み飽きましたわ」。指揮官は不敵な笑みを浮かべた。

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2017年6月21日のニュース