則本 初回最悪5失点から“不死鳥”5戦連続2桁K達成

[ 2017年5月18日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天15―6日本ハム ( 2017年5月17日    盛岡 )

<楽・日>5回2死 レアードを空振り三振に打ち取りガッツポーズの則本
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 どん底からはい上がった。6―5の6回1死無走者。楽天・則本は大田からフォークで10個目の三振を奪った。5試合連続の2桁奪三振は10年の日本ハム・ダルビッシュ(現レンジャーズ)らに続く史上5人目。「三振は取れるに越したことはないが(三振の数が)勝ちにつながることはない。取れてうれしいが勝つことが全て」と淡々と話したが、球史に名を残す偉業を成し遂げた。

 悪夢のような立ち上がりだった。初回1死一、三塁で4番の中田を迎え、先制の左越え3ランを浴びた。打球の行方を見届けると、下を向いて左足で地面を蹴り、悔しさをあらわにした。7番の大田にも左越え2ランを浴びた。打たれたのはいずれも直球で139キロと141キロ。球速を抑えた制球重視が裏目に出た。「球場(両翼91・5メートル)が狭いし(左翼に)フォローの風が吹いていたので低めを意識しすぎた。持ち味を出せなかった」。1イニング5失点は自己ワーストタイだった。

 岩手県営球場は過去2試合に登板し、1勝1敗。だが、昨年5月18日のオリックス戦では4回を14安打10失点。被安打も失点も自己ワーストだった。「去年のこともあったので、大事にいこうとしすぎた」と負の記憶が頭をよぎったが、2回2死満塁のピンチをしのぐと、味方がその裏に逆転に成功。そこからは昨季との違いを見せた。

 打順が一巡し、直球を狙われていることを実感。捕手の嶋と話し合って配球を変えた。初球からフォークなどの決め球を投げて日本ハム打線をかく乱。さらにイニング間のキャッチボールではカーブを投げることで体を大きく使い、フォームのバランスを整えた。4回1死から5者連続三振。中田には最速の155キロで空振り三振を奪った。「野手に申し訳なくて一生懸命腕を振ろうと」。3回以降は無安打投球。12三振を奪い、7回5安打5失点でリーグトップタイの5勝目を挙げた。

 これで元近鉄の野茂英雄氏が持つ6試合連続2桁奪三振のプロ野球記録に王手をかけた。それでも「今日は野手に助けてもらったので、次は試合をつくりたい」と控えめだ。次回登板は24日のオリックス戦(ほっと神戸)。無欲で大記録に挑む。(黒野 有仁)

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2017年5月18日のニュース