阪神・福留 4安打!乱調マテオもバントミス江越も救った

[ 2017年5月4日 06:37 ]

セ・リーグ   阪神8―4ヤクルト ( 2017年5月3日    神宮 )

<ヤ・神>9回1死一塁、福留は左中間に4安打目となる適時二塁打を放つ
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 阪神・福留孝介外野手(40)が3日のヤクルト戦(神宮)で今季2度目の4安打を放つ活躍を見せ、猛虎に5月初白星を呼んだ。特に1点差に追い上げられた直後の9回に左中間へ適時二塁打。走者を置いた4打席すべてで凡退して敗れた前夜の借りを一日で返した。ミスも目立った終盤の乱戦を4番打者として引き締め、今季最多に並ぶ貯金4。貯金5の壁に再挑戦だ。

 やられたら、やり返せばいい。悔しさをバットに充満させた4番がヤクルトを打ち砕いた。前夜は全て走者を置いた4度打席で凡退。前夜に「オレのせい」と唇をかみしめていた福留が4安打の固め打ちで過去4試合で無安打に封じられたツバメにリベンジした。

 「ホッとしています。昨日もチャンスをつぶしてチームに迷惑をかけたんで。難しく考えずに、試合は毎日あるし“次の日、次の日”と思ってやっている」

 4打席目までに3本の快打を重ねて今季3度目の猛打賞。真骨頂は9回1死一塁の第5打席だった。直前の8回には4点の優位を背に登板したマテオの乱調と失策で1点差に迫られていた。しかも、目の前では途中出場していた江越が無死一塁からスリーバント失敗。「江越のミスがあったけど、何とかしてやりたかった」。原樹の2球目をとらえた打球は左中間を破る二塁打となり、二塁へ進めなかった一塁走者の大和を一気に生還させた。ミスを帳消しにし、不穏な雰囲気も吹き飛ばし、勝利を決定づけた。

 続く代打・北條の左前打では二塁から激走して生還。先月26日に40歳になったばかり。右翼線へ打ち返した2回には一塁ベースで滑って転倒する場面もあっても、ヒーローインタビューで「まだ走れますね」と笑って神宮の虎党を沸かせた。

 とても不惑とは思えない躍動的な姿。それも入念な体のケアと準備があるからだ。最近は朝にベッドで目覚めても「ガバッとは起きない」と漏らす。まずは左右に寝返りを打ち、筋肉の張りを確かめることから一日が始まる。4月15日の広島戦(甲子園)では右翼線への飛球を飛び込んで好捕。しばらくは目覚めると地面に強打した左肩がしびれていたという。「あとから“やらなきゃ良かった”と思うけど、球が来たらやっぱりやってしまう」。全力プレーを緩めない分、練習開始時間のはるか前からマッサージを受けるなど細心の注意を払う日々だ。

 4安打は4月21日の巨人戦(東京ドーム)以来、今季2度目。あの時も直前の名古屋遠征での不振を巻き返した。いくら百戦錬磨でも常には打てない。その時の状態でできること、不調を長引かせない術は心得ている。攻守両面でミスが散見される猛虎において、その存在価値は計り知れない。(山添 晴治)

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2017年5月4日のニュース