大谷 もう158キロ投げた!栗山監督、早期復帰示唆も悩みは“調整登板”

[ 2017年4月4日 08:00 ]

羽田空港に到着した大谷
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 右足首痛のため、打者に専念している二刀流の日本ハム・大谷翔平投手(22)が、既に「158キロ」を投げられる状態まで回復していることが3日、分かった。

 3月31日のブルペン投球を見守った栗山英樹監督(55)が明かした。「投手・大谷」はまだリハビリ管理下だが、「打者・大谷」は驚異の打率・667を誇る。投手調整のため1軍から外すのは現実的ではなく、リリーフとして4月中に投手復帰する可能性も出てきた。

 新千歳空港で東京への移動便を待っていた栗山監督が3月31日に行った大谷のブルペン投球について、こう明かした。

 「もう157、8キロは出ているよ。力は最初から入っていた」。西武との開幕戦(札幌ドーム)の試合前。大谷は捕手を立たせて約30球を投げ込んだ。自主トレ期間中だった1月22日以来、68日ぶりの本格的な投球練習。右足首の痛みは投球時の「底屈(足底の方に足首を曲げる動き)」に限定される。傾斜のあるマウンドではその動きが大きくなり、右足首に負荷がかかりやすい。プロ野球最速の165キロを誇るスーパーエース。「157、8キロ」はあくまで指揮官の体感スピードではあるが、右足首の回復ぶりが順調であることを物語る証言でもあった。

 まだトレーナーによるリハビリ管理下に置かれているため、投手としての実戦復帰時期は未定だ。それでも、指揮官は「(スピードボールを)投げられるけど、試合で投げられるのとはちょっと違う」と前置きしつつ「明日投げてもおかしくはない」と、極端な例えで早期復帰を示唆した。先発での復帰にはまだまだ時間がかかる。吉井投手コーチも「常識的には(調整登板として)2軍で1、3、5、7(イニング)と投げて、1軍での先発には3週間くらいはかかる」と説明する。

 ただ、開幕3連戦で両リーグトップの打率・667をマークした「打者・大谷」を投手調整のためだけに2軍で調整させることは現実的には難しい。以前から栗山監督が「先発で使うとは言っていない。急に投げたらごめん」と言うように、4月中にもリリーフとして1軍復帰登板する可能性もある。大谷も開幕前に投手復帰について「ここから上げていければいいかなと思う。1日でも早く投げられるように調整したい」と語っている。

 指揮官は大谷が前日に投手強襲の内野安打を放った場面を振り返り、「際どすぎる。もうちょい(スピードを)落としてもセーフになるのが分かんねーのか、バカ!」と怒りもあらわにした。右足首痛の再発防止のため、全力疾走は依然として禁止中。「投手・大谷」をベストの状態で復帰させるため、手綱を緩めることは決してしない。二刀流5年目。文字通り、大谷の「一挙手一投足」に注目が集まっている。 (柳原 直之)

 ≪投手・大谷故障経過≫

 ☆16年10月26日 広島との日本シリーズ第4戦(札幌ドーム)。「3番・DH」で出場した8回の第4打席で、遊ゴロで一塁を駆け抜けた際に右足首をひねる。

 ☆11月11日 打者として出場した侍ジャパンの強化試合・メキシコ戦(東京ドーム)の5回、一塁内野安打で一塁を駆け抜ける際、再び右足首をひねる。

 ☆17年1月20日 千葉・鎌ケ谷の室内練習場でオフに入って初のブルペン投球を行い、捕手を立たせて22球。このオフのブルペンはこの日と22日の2度のみ。

 ☆1月31日(日本時間1日)右足首痛のため、投手としてWBCへの出場を辞退する意向をキャンプ地のアリゾナで表明=写真。

 ☆2月7日(日本時間8日)アリゾナ入り後、初めてスパイクを履いてキャッチボール。70〜80メートルの距離で遠投。

 ☆3月12日 千葉・鎌ケ谷の室内ブルペンで軽めの投球練習=写真。投球用に患部の動きを制限するハイカットのスパイクを履き、数球をネットに向けて投げた後、最後の7球はトレーナーを座らせて投げた。

 ☆3月28日 札幌ドームのブルペンでネットスロー。約50球を投げ込み「(これからさらに)上げるとは思う。痛みにも慣れてきた」。

 ☆3月31日 西武との開幕戦前にブルペンで約30球。

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