“負の歴史”断つ本物?DeNAクライン 圧巻3連続K最速153キロ

[ 2017年2月19日 08:51 ]

練習試合   DeNA2―3中日 ( 2017年2月18日    北谷 )

<中・D>1イニングを3者三振のDeNA・クライン
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 DeNAの新外国人クライン(フィリーズ)が、圧巻の実戦デビューを飾った。5回から2番手で登板。先頭の高橋をチェンジアップ、松井雅をこの日最速153キロの直球で見逃し三振に打ち取ると、最後は遠藤のバットをツーシームで空を切らせた。

 「そんなにスピードが出ているとは思っていなかったよ。でも、体も感触も良かった。シーズンへの自信になったね」。3者連続三振を満足そうに振り返った。

 2メートル1の高さから捕手のミットに突っ込んでいくような速球。ラミレス監督は「新幹線のよう」と表現した。メジャー通算2勝ながら、昨季はフィリーズ傘下の3Aでは奪三振率10・50をマーク。まだ27歳と成長も見込める。チームで過去に2桁勝利を挙げた外国人投手はいないが、「2桁は勝ってくれると確信しているよ。そう思ったのは初めて」とべたぼれだ。

 沖縄・宜野湾キャンプ第1クールでは、監督主催の外国人選手の焼き肉会に参加。「日本の食事は信じられないくらいおいしいよ」と日本の生活にもなじんでいる。身長が高い理由を問われて「小さい頃に野菜をたくさん食べたからだね。母が手料理で野菜をいっぱい使ってくれたんだ」と白い歯をこぼした。

 次回は、22日のWBC韓国代表との練習試合(宜野湾)で3イニングが予定されている。外国人枠の関係もあり、ラミレス監督は明言を避けたものの、開幕ローテーション入りは濃厚。巨人にFA移籍した山口俊の穴を埋める男として、年俸1億5000万円で獲得したクラインが、助っ人投手の「負の歴史」に終止符を打つ。 (中村 文香)

 ▼ヤクルト・片岡大蔵スコアラー 直球に角度があるし、力感がなく150キロ以上が出せる。巨人のマイコラス並みに勝てると思うし、2桁は間違いない。お世辞抜きでモノが違うと思った。

 ▼阪神・御子柴進スコアラー 見た通りいい投手で何もいうことはない。

 ◆フィル・クライン 1989年4月30日、米オハイオ州生まれの27歳。11年ドラフト30巡目(全体924番)でレンジャーズ入団。14年にメジャーデビューを果たし、昨年6月にフィリーズ移籍。傘下の3Aリーハイバレーで14試合に登板し、5勝1敗、防御率1・52の好成績を残した。メジャー通算成績は40試合で2勝3敗、防御率5・50。2メートル1、116キロ。右投げ右打ち。

 ≪過去9勝が最高≫DeNAの外国人最多勝利は14年モスコーソの9勝。前身球団を含め2桁勝利はいない。現12球団で外国人投手の2桁勝利が0は楽天(06年グリンの7勝が最多)とDeNAだけだ。もっとも大洋時代の外国人補強は主に野手。80年代まで投手はわずか4人と少なかった。01年以降は毎年1軍公式戦に複数の外国人投手が登板しており、ついに球団初の2桁勝利投手が誕生するか。

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