イチローにも影響?マーリンズ買収にトランプ娘婿一族が関与か

[ 2017年2月11日 05:38 ]

マーリンズのイチロー
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 イチローが所属するマーリンズに売却の可能性が浮上したと9日(日本時間10日)、複数の米メディアが報じた。ジェフリー・ロリア・オーナー(76)がニューヨークの実業家とおよそ16億ドル(約1820億円)で大筋合意したという。複数のメディアは、トランプ大統領の娘イヴァンカさん(35)の婿、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問(36)の一族が関わっているとも伝えた。マ軍には田沢も所属している。

 春季キャンプを目前にして、衝撃が走った。昨年12月に球団売却報道が出ていたマーリンズが、16億ドルで身売りすることで大筋合意した。売却額としては史上最高額となった12年ドジャースの20億ドル(当時約1600億円)に迫る金額である。複数の米メディアによると、売却相手はニューヨークの不動産グループ。トランプ大統領の娘イヴァンカさんの婿、クシュナー大統領上級顧問の父・チャールズ氏がオーナーを務めており、クシュナー氏の弟であるジョシュア氏を中心に交渉を行っているという。

 米経済誌「フォーブス」によると、チャールズ氏らクシュナー家の総資産は18億ドル(約2000億円)とも言われる。クシュナー氏も12年のドジャース売却の際に入札していたという。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令を出すなど、何かとお騒がせなトランプ大統領との関係により「ファンやスポンサーはチームやリーグをボイコットするか、支持するか」などと取り沙汰されているとしている。資金調達の問題が障害となり、破談があり得るとの報道もある。

 オーナーのロリア氏は02年にそれまで所有していたエクスポズ(現ナショナルズ)を売却し、同年に1億5850万ドル(当時約180億円)でマ軍を買収。翌03年にワールドシリーズを制覇した。しかし、04年以降は13年連続でプレーオフにすら進めていない。観客動員も昨季を含めて過去12年間のうち、11度もリーグ最少を記録している。

 ロリア・オーナーは主力選手を相次いで放出するなど、編成面での評判も芳しくなかった。12年に多額の税金を使って新球場に本拠を移転している中で、投資額の10倍以上で球団売却を成立させれば、批判は避けられそうにない。同オーナーは昨年の大統領選では、トランプ陣営に12万5000ドル(約1400万円)を寄付していた。

 マ軍にはイチロー、田沢が所属。15年に「日本選手球団第1号」となったイチローが加入した際には、異例の日本での入団会見を開いた。さらに18年開幕戦の日本開催も計画している日本びいきの球団だ。しかし、オーナーが代われば球団の方針も変わるため、イチローの来季去就に影響が出てくる可能性もある。

 ▽マイアミ・マーリンズ 球団拡張により93年に創設され、ナ・リーグ加入。97、03年にワールドシリーズを制覇。12年にフロリダ・マーリンズから現名称に変更。本拠もマイアミのダウンタウンにある「マーリンズ・パーク」(収容人員3万7000人)に移転した。昨季は79勝82敗でナ・リーグ東地区3位。本塁打王に輝いた14年のオフに、米スポーツ史上最高額となる3億2500万ドル(約371億円)で13年契約を結んだ主砲のスタントンがいる。

 ≪最近の大リーグ球団の身売り≫

 ☆10年レンジャーズ 球団社長を務めるノーラン・ライアン氏を含む投資家グループが5億9300万ドル(当時約510億円)で買収。当初は1月に合意したが、債権者が納得せず競売に。8月に同氏が再び落札し、所有が決まった。

 ☆11年アストロズ ヒューストンの実業家、ジム・クレイン氏らの投資家集団が6億8000万ドル(当時約558億円)で買収。これにより、同球団は13年シーズンからア・リーグ西地区へ移ることとなった。

 ☆12年ドジャース 経営悪化による売却を受け、NBAの元スーパースター、マジック・ジョンソン氏らの投資グループが買収。金額は20億ドル(当時約1600億円)で、北米スポーツ史上過去最高の売却額となった。

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2017年2月11日のニュース