中畑氏 悩める巨人・岡本を熱血指導「力強さ出すには重心沈めろ」

[ 2017年2月11日 09:17 ]

6日、岡本(右)を指導する中畑氏
Photo By スポニチ

 アッパースイング封じて和製大砲に――。「次世代の侍」第2弾は今季プロ入り3年目、宮崎で汗を流す巨人の岡本和真内野手(20)。自分の打撃を求めて悩める大砲候補をスポニチ本紙評論家の中畑清氏(63)が熱血指導付きで直撃した。

 <第1幕>6日、サンマリンスタジアムでのフリー打撃後

 中畑 今の自分のチェックポイントはしっかり見えてる?

 岡本 はい。そこはしっかり…。去年はやり通せなかったんで。コロコロ変えすぎてしまったんです。変えたときはいいんですけど、すぐダメになる。その繰り返しで。なにか一年やり通せるものを見つけようと思っています。

 中畑 スイングの軌道とか速いボールへの対応とか、基本があるじゃない。その基本を見失っているのかなという感じがするね。強く振ろうという意識は伝わってくるんだけど、アッパースイングに見えたり、重心が浮いてるように見えたりする。だから弱々しく映るのよ。岡本和真というパワーヒッターの力強さを感じないわけ。力強さを出すにはどうすればいいのか。それが見えてこなかったんだな。

 岡本 はい。

 <第2幕>同日、木の花ドームでのティー打撃。村田真一ヘッドコーチの指導を見ていた中畑氏は「村田ヘッドと考えが一緒だったんで、乗っからせてもらった」。身ぶり手ぶりで下半身の使い方とスイング軌道を熱血指導。その変化を確認して

 中畑 格好良いじゃない。重心が浮かない、浮かせない。自分では分からないかもしれないけど、凄く格好良く見えるよ。打った手応えはどう?

 岡本 ボールに力が伝わってないというのはずっとあったんです。どっかで抜けてるような。去年だったらおっつけようとして左(腕)が固まったり…。さっきは普通に柔らかく打てました。

 中畑 楽しかったんじゃない?バットのヘッドの重みを感じながらスイングできて、インパクトに力が入る。バットがダウンに入ってもダウンスイングじゃなくてレベルに振れている。それでいて逆スピンがかかって、打球は上がっていく。ピンポン球のように飛んでいく。

 岡本 皆さんに“1年目の方が良かった”と言われるんです。どうしてたんだろうと…。それで軸足に乗せなきゃいけない、前に出ちゃいけないと思って、だんだん後ろに(体重が)残るようになっていたんです。今、中畑さんに「(バックスイングを取るときに体が)沈むように」と言ってもらって、確かにこういう感覚だったなと。

 中畑 今までは逆だったんだな。一番力が入らなきゃいけないインパクトで抜けている。上体は浮くし、スイングはアッパーだしさ。弱々しいスイングにしか見えなかった。その違いを少し分かってくれたのかなという気がするけど、今、体のどこが張ってる?

 岡本 (右脚の付け根を押さえて)ここです。

 中畑 そうそう、そうなんなきゃ。そこが張ってるってことは下(半身)が使えている証拠。今までは楽な打ち方をして体の芯の力を使えてなかったんだ。

 岡本 はい。

 中畑 守備はどこを守りたい?レフトの練習もずいぶんやってるけど。

 岡本 サードをやりたいですけど、出られたらどこでもいいです。与えられたところで。去年は守備どうこうより打てませんでしたから。

 中畑 そう、君の生き残る道はバッティング。守りは気にしないで、追い求めてほしいね。

 <第3幕>9日、サンマリンスタジアムでのフリー打撃後

 中畑 兆しが見えてきたね。まだアッパーになっておっつけるようなスイングもあるけど、最後の方は左中間へいい打球が飛んでたじゃない。もうフラフラしないで、今の意識を徹底して持ち続けてほしいね。「今年はこうする」って何か約束してくれるかな。

 岡本 はい。今年は活躍します。

 中畑 よし、その意気だ。楽しみにしてるよ。活躍したらサインちょうだい。今はまだいいからね。

 ◆岡本 和真(おかもと・かずま)1996年(平8)6月30日、奈良県生まれの20歳。智弁学園では1年秋から4番を務め、3年時に春夏連続甲子園出場。高校通算73本塁打。14年ドラフト1位で巨人入団。1年目の15年9月5日のDeNA戦(横浜)に代打出場し、プロ初安打初本塁打を記録した。1軍通算成績は20試合で打率.184、1本塁打、4打点。1メートル85、96キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2017年2月11日のニュース