山本浩二氏が祝福「仙、おめでとう」東京六大学から50年の盟友

[ 2017年1月17日 08:30 ]

星野仙一氏 野球殿堂入り

北京五輪での(左から)星野氏、田淵氏、山本氏
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 仙、野球殿堂入りおめでとう。もっと早く殿堂入りしても良かったと率直に思う。

 殿堂入りの一報を聞きすぐに電話をかけた。「おめでとう」と言ったが短い言葉で十分。仙とは彼が明治、私が法政で主力で戦って以来、約50年のつきあいになるが「あうんの呼吸」というか言葉を挟まなくてもお互い何かを感じ取っていた気がする。

 大学時代はあまり打てなかったが、プロに入って早い時期に仙からサヨナラ打を打てたことは自信になった。本当に自分の信じた道を真っすぐ突き進む男で、ベンチから敬遠の指示が出た時に、私に対して4球連続で内角にボール球を投じたこともあった。中日監督時代に、私が広島監督で乱闘になった時は2人で口論となったが、選手がベンチに引き揚げるのが見えて自然とお互いが引いた。最初は激高していたが、話すうちに目が穏やかになった。「ここらあたりで引こうか…」。表情からそう読み取れた。

 08年の北京五輪で星野監督にコーチとして呼ばれた。ブチ(田淵幸一氏)と3人で「いつか同じユニホームを着よう」と話したことを実現してくれて感謝している。

 いろんな思い出があって、一番の思い出と言われても順序はつけられない。星野仙一に出会う機会を与えてくれた野球界に感謝したいし、まだまだ野球界を引っ張ってくれると思う。私も仙とは歩む道は違っても、一緒に野球界に恩返しをしたいと考えている。 (元広島監督、13年WBC日本代表監督)

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2017年1月17日のニュース