マエケンWBC辞退へ ドジャース近日中にも断り…マー君も厳しく

[ 2017年1月12日 05:30 ]

前回大会の13年WBCに出場した前田
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 ドジャースの前田健太投手(28)が、3月に行われる第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に不参加となることが10日(日本時間11日)、分かった。

 ド軍は昨季チーム勝ち頭の16勝を挙げた前田が地区5連覇と悲願の29年ぶり世界一に欠かせないと高く評価。故障のリスクを抱えるWBC出場に難色を示していた。侍ジャパンは準決勝で敗退した13年の前回大会でエースとして支えた右腕がいない状況で世界一奪還へ挑む。

 4年前の侍エースだった前田の不参加が決まった。前回大会では不慣れなWBC公式球にも適応し、3試合に先発して2勝1敗、防御率0・60。チーム最多の15イニングを投げ、失点は敗れた準決勝の1点だけだった。ベストナインにも選出された右腕について、小久保監督も先発投手陣の柱として招集を強く望んでいた。

 メジャー1年目の昨季は一度も先発ローテーションから外れず、32試合に先発して16勝11敗、防御率3・48の好成績を挙げ、ドジャースの地区4連覇に大きく貢献した。ただそれだけに、万が一にも欠くことのできない投手陣の柱として、チームでの立場も変わった。

 開幕直前で大事な調整期間にあたり、故障のリスクも抱えるWBCへ、先発投手の出場は特にハードルが高い。ファーハン・ザイディGMは「野手より投手の出場が心配。今季は終盤に疲れが見えたので、始動が早まるのはどうか」と早くから選出へ否定的な見解を示していた。前田は入団交渉時のメディカルチェックで右肘に「イレギュラーな問題」が見つかり、基本給を抑えて、出来高を厚くした異例の8年契約を結んだ経緯もある。昨季の活躍で不安を払しょくした一方で、余計な負担をかけたくないのも首脳陣の本音である。

 前田自身は「前回悔しい思いをしたし、日の丸を背負って戦うのは光栄なこと。出たい気持ちはもちろんある」と出場への意欲を口にしていた。年明けには、沖縄県で広島時代の同僚と自主トレをスタート。WBC出場の道を模索していたが、大リーグ関係者によると、近日中にもド軍側から侍ジャパンへ断りの連絡が入る運びという。

 日本人大リーガーではヤンキース・田中の選出も極めて難しい状況だ。昨季はチーム唯一の2桁となる14勝を挙げ、エースとして活躍した。それだけにチームにおける依存度は前田よりも高い。14、15年には故障により長期離脱しており、ヤ軍側も余計なリスクは背負いたくない。タイムリミットは刻一刻と迫る。

 既に上原も新天地となるカブス側が出場に難色を示し、辞退を表明した。アストロズ・青木が追加選出されたが、頼みの投手陣は大リーガー抜きのままだ。「(大リーガーは)必要だと思っています。招集する方向で交渉していきたい」と話していた小久保監督。入れ替え可能な10人の予備投手枠に入る可能性は残されるが、世界一奪回構想はさらなる練り直しを迫られることとなった。

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