数字言わない男が…阪神・高山 異例の決意表明 フル出場&3割&20発

[ 2017年1月8日 05:30 ]

打撃練習する高山
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 阪神の高山俊外野手(23)が7日、東京都府中市にある母校・明大野球部グラウンドで自主トレを公開。今季の目標に「フルイニング出場、打率3割、20本塁打」を掲げた。

 阪神野手で入団2年目までにシーズン打率3割&20本塁打した選手はおらず、フルイニング出場した選手もいない。昨季、坪井の球団新人最多安打記録を塗り替えた新人王が、2年目のジンクスも打破し、再び歴史を塗り替える。

 記録は塗り替えるためにある。大学4年間を過ごしたグラウンドで充実の汗を流した高山は、今季の目標を聞かれると、初めて自らの口で具体的な数字を挙げ、今季のノルマを公言した。

 「まずは全試合スタメンで出たい。そこが大前提で、数字の目標としては(打率)3割、20本塁打を目指したいなと思います。基本的に、目標の数字は言いたくないんですけど、今年はそれぐらいの気持ちを持ってやらないといけないと思うので」

 自身のスタイルを覆すまでして掲げた目標に2年目の覚悟が感じられた。しかも掲げた数字は、いずれもが高いものだ。過去、球団野手で入団2年目までに「シーズン3割&20本塁打」を達成した選手はおらず、掛布2軍監督も現役時に初めて記録したのは高卒ながら3年目だった。加えて、同じく2年目までにフルイニング出場を達成した選手もいない。フルイニング出場してのシーズン打率3割&20本塁打となれば、球団では金本監督が2008年に記録したのが最後で、掛布2軍監督(1985年)と合わせ2人(のべ5度)しかいない。

 「そういう記録を目指す中で、やれることは全部やっていきたいし、もっと成長していきたい」

 昨季は134試合出場で打率・275、8本塁打。偉業達成には、さらなる確実性と長打力のアップが求められるが、昨季後半に苦手としていた内角攻めを克服するなどし、高山は手応えを感じている。

 「6月(月間打率・217)に下向いていた成績を夏場に戻せた。そういう(波の小さい)打撃をシーズン最初からできれば、やっていけると思う」

 今オフは約1キロの重量バットと長めのマスコットバットの2種類で徹底的に振り込んでいる。使用開始時の秋季キャンプ中と比べても「振れるようになってきている」と断言する。実際、この日行ったマシン打撃では重量を感じさせない鋭いスイングで快音を連発。2月1日のキャンプインに向け、準備は着々と進んでいる様子だ。

 「去年はけが(骨折)をしていた状態だったので、万全で迎えられる今年のキャンプがどうなるかは分からないけど、しっかり初日からアピールできるように。今はウエートでのパワーアップも含めて、けがをしない体づくりをしていきたい」

 大きな期待と重圧を背負った昨季は坪井の球団新人最多安打記録を更新する136安打をマークし、セ・リーグ新人王を受賞した。2年目のジンクスが叫ばれる今季。打破は当然。前人未到の領域に、成長した高山が挑む。 (久林 幸平)

 ≪高卒3年目掛布が最速≫2リーグ制以降の阪神でシーズン打率3割&20本塁打は10年の城島まで9人が到達。プロ入り年数では76年に高卒3年目だった掛布が最速で、今季2年目の高山が達成すれば上回る。

 ≪3年目鳥谷が最速≫阪神の年間フルイニング出場選手は、1リーグ時代を含め10人(のべ26度)。プロ入り年数では06年に3年目だった鳥谷が最速。また、外野手では03〜09年の金本しかおらず、高山に球団2人目の期待が懸かる。

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