バレ2年ぶり30号 “1、2の3”打法で逆転CSへ3・5差

[ 2016年9月15日 05:30 ]

<ヤ・D>2回無死、左越えに決勝点となる30号ソロを放つバレンティン

セ・リーグ ヤクルト3―2DeNA

(9月14日 神宮)
 首の皮一枚つながった。ヤクルトが3位・DeNAとの直接対決で接戦を制し、再び3・5ゲーム差に詰めた。決勝打はバレンティンだ。0―0の2回に左越え30号ソロ。「昨年は故障もあって1本塁打で終わった。30本打てるんだと証明できてうれしく思う」と金髪の頭の汗を拭った。

 来日6年目。13年に日本記録の60本塁打を樹立した往年のパワーはない。昨季は左太腿肉離れなど度重なる故障で15試合の出場にとどまり、わずか1本塁打。チームは14年ぶりのリーグ優勝を飾ったが、不本意な成績に終わった。「60本打つよりチームが勝った方がうれしい。試合に出て、勝利に貢献して喜びを味わいたい」。巻き返しを図る今季は細部にもこだわった。革手袋を「フランクリン製」に変更。伸縮性に優れた羊革でエルドレッド(広島)、メヒア(西武)も使用している。「バットを握った時のフィット感がいい」と不可欠なアイテムになった。

 変化球に対応するため、後半戦からタイミングの取り方も変えた。宮出打撃コーチの助言もあり、従来の「1、2、3」から「1、2の3」に改良。1拍入れたことで下半身に粘りが出た「2枚腰」となり、緩い球を簡単に空振りする打席が減った。後半戦46試合で14本塁打。この日の一発が象徴的だった。井納に3球直球を続けられた後、外角高めの133キロスライダーに反応。上体は泳がされてもバットはギリギリまで後ろに残して振り抜き、打球は左翼席中段へ飛び込んだ。「体勢を崩されたけど、しっかり前で叩くことができた」。納得の打撃で節目の数字に到達した。

 10日の阪神戦(神宮)で走塁中に痛めた右太腿裏の状態は万全ではない。だが、ラストスパートへ力を振り絞る。逆転CS進出へ残り8試合。「まず第一に勝つことが大事。諦めずに全部勝つ気でやりたい」。有言実行へ、バレンティンの打棒爆発が不可欠だ。 (平尾 類)

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