未来を背負う侍たち 大学時代の国際大会が必ず財産に

[ 2016年7月19日 11:00 ]

大学日本代表の明大・柳

 日米大学野球は日本が連勝で王手をかけてから2連敗。勝ったチームの優勝が決まる第5戦は、延長10回の末に日本がサヨナラ勝ち。2大会連続18度目の優勝を飾った。

 米国チームは主に大学2年生で構成されていたが、体格は全員、規格外だった。横井人輝監督が「投手陣は全員素晴らしかった」と評したように、1メートル90超えの投手がそろっていた。今秋ドラフト候補に挙がる1番・佐藤拓也外野手(立大4年)は「出てくる投手がみんな150キロ。おまけに、手元で動くので、捉えるのは難しかった」と舌を巻いた。

 米国の大学生が普段はどんな野球をしているのか分からないが、大会期間中の練習は、日本のようにきめ細かいメニューをこなしていた。フリー打撃の合間にはバント練習もきっちりやっていたし、ティー打撃ではさまざまなコースにトスを上げてもらったり、各選手が工夫を凝らしていた。

 ただ、シートノックは特殊。コーチ2人がノックバットを持ち内野の各ポジションに就いた選手に打球を飛ばす。併殺プレーや外野とのカットプレーは一切やらず、時間内に数多くのノックを受けて試合に臨んでいた。

 日本が国際大会に出場する度に議論されるのは、イニング間のキャッチボール。日本では自チームの攻撃が2死になると投手がグラウンドに出てきて肩慣らしをするのが当たり前。ただ、国際大会では認められないため、室内ブルペンや、時にはベンチ内でキャッチボールをすることがある。今大会はベンチ前でキャッチボールが認められていたため問題にはならなかったが、米国の投手は肩慣らしはしていなかった。

 今回、日本代表に選出されたメンバーの中には、将来、トップチームでも日の丸を背負う選手が出てくるかもしれない。学生時代に国際試合を経験したことは、必ず生きるはずだ。普段、目にすることが少ない外国チームとの対戦。記者にとっても貴重な国際試合取材だった。(記者コラム・川島 毅洋)

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2016年7月19日のニュース