イチロー 米500盗塁王手 最大5点差追いつく適時打にコールも

[ 2016年4月19日 05:30 ]

<マーリンズ・ブレーブス>6回、今季初盗塁となる二盗を決めるイチロー(右)

ナ・リーグ マーリンズ5―6ブレーブス

(4月17日 マイアミ)
 マーリンズ・イチローが意地の今季初マルチ安打&初盗塁を決めた。前日の同じブレーブス戦で、日米25年目にしてプロ初の「代打の代打」を送られた。出場機会が限られる状況が続く中、6回途中から中堅守備に就くと、存在感が際立った。

 その裏、無死一塁から中前打して一、三塁のチャンスをつくる。直後に二盗。7回は左腕オフラーティと対し、四球を選んだ。右打者ジョンソンが控えていたが、ベンチは動かず。さらに1点を追う9回2死二塁では起死回生の同点左前適時打を放った。最大5点差を追い付き地元ファンからは「イチロー」コールが。塁上では表情一つ変えず意地を貫き通した。

 これでメジャー通算500盗塁にあと1と王手をかけた。同2939安打と合わせ、「2900安打、500盗塁」以上を達成すれば史上8人目となる。前日は代打出場が告げられた後、左腕にスイッチされると、右打者のジョンソンを送られた。ドン・マッティングリー監督は「イチローは右投手に対して」と説明したが、通算では右投手の打率・308に対し、左投手を打率・328と打ち込む。42歳は胸中は明かさず、黙々といつも通りのルーティンで準備を怠ることはなかった。

 奮闘及ばずチームは延長戦の末に敗れた。指揮官も「(イチローの同点打は)大きなヒットだった。よく振れている」としたが、4連敗に言葉少な。イチローはクラブハウスが報道陣に開放される前に球場を後にした。(マイアミ・笹田 幸嗣通信員)

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