熊本で避難生活送る姉のためにも…DeNA今永 プロ初勝利届ける

[ 2016年4月19日 05:33 ]

ジャンプする(左から)モスコーソ、今永、石田

 姉ちゃん、今度こそ勝つよ――。DeNAのドラフト1位・今永昇太投手(22)が18日、次回先発する22日の巨人戦(東京ドーム)で熊本、大分両県で相次いでいる地震の被災地にプロ初勝利を届ける。

 北九州市出身。横浜スタジアムで汗を流した左腕は、熊本県内で働く3歳年上の姉が避難生活を送っていることを明かし「身内がそうなったのは初めて。コンビニには何もないとか、自宅は水道が止まっているとか。大きな震災と痛感している」と困惑の表情を浮かべた。

 九州男児として、テレビのニュースなどで被害状況を見るたびに胸が痛む。「僕に何ができるかといったら、野球を一生懸命やることだと思う。新聞とかに載って“頑張っているんだな”となれるように」。開幕から3戦3敗と「プロの壁」に苦しんでいるが、姉のため、被災地のために初勝利をつかみにいく。巨人はプロ初登板した3月29日に3本塁打を許すなど7回5安打4失点で初黒星を喫した相手。「次がダメだったら(2軍に)落とされるという危機感を持って臨みたい。ローテーションを守っている投手として責任感を持ってやりたい」と、背水の覚悟でリベンジを懸けたマウンドに上がる。

 チームは4連敗中で借金は8。最下位に沈んでいるが、下を向いている暇はない。「僕は不自由なくハマスタが使えて、食事もできている。野球ができることに感謝の気持ちを持ってやりたい」と今永。今も余震が頻繁に起こり、不安な生活が続く被災地に、明るいニュースを届ける。(川島 毅洋)

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