外壁にドカン!おかわり 民家直撃160メートル弾「久しぶり」

[ 2016年2月5日 05:50 ]

フリー打撃で民家直撃の場外弾を放った中村

 おかわり君の驚異の一撃――。西武の中村剛也内野手(32)が4日、宮崎・南郷キャンプ第1クール最終日のフリー打撃で、左翼スタンド後方に設置された防球ネットを越える場外弾を放った。打球は道路をまたぎ、なんと民家の外壁を直撃。日本人打者では14年ぶりとなるシーズン50本塁打を期待させる、推定飛距離約160メートルの超特大アーチだった。

 ゆったりとしたフォームから、とてつもない打球が飛び出した。ランチ後のフリー打撃。中村が鋭く打ち抜いた球が、南郷スタジアムの左翼ポール際の上空に一瞬で吸い込まれた。防球ネットを越えると、球場周辺に「ドカン!」という鈍い衝撃音が響いた。

 「(ネットを)越えましたね。感触はよかった。フリー打撃で(場外は)初めて。力みがなく打てているし、力を入れてもバランスが崩れない」

 ネットは高さ25メートル。スタンドの高さを合わせればグラウンドレベルから30メートルという網を、打球が鮮やかにまたいだ。球場関係者は「飛距離150メートル以上でなければネットを越えることはない」と説明。着弾点は道路を挟み、球場から約20メートルの地点に立つ民家。直撃を受けた外壁はへこみ、ボールにプリントされている青い「L」のチームロゴと、赤い縫い目がくっきりと刻まれた。「被害」に遭った住人を驚かせる規格外の一発で、第1クールを締めくくった。

 最高のコンディションでキャンプに臨んでいる。「1年前は(右肘の遊離軟骨除去の)手術明けだったし、最近は完璧な状態でキャンプに臨めていなかった。第1クールからここまで打てるのは久しぶり。体の力がうまく球に伝えられている」。キャンプ前には「最近は(本塁打を)40本打てていないので、そこは最低限の目標」と今季の照準を定めていた。ケガの不安がないため、自主トレ中から状態の良さは実感していたようだ。

 09年と11年には自己最多の48本塁打をマークしているが「あの頃と同じかそれ以上の状態。自分が思っていたよりいいコンディションです」と心強い。となれば、期待は「大台」だ。日本人打者では02年の巨人・松井を最後に達成者がいないシーズン50本塁打。場外弾を見守った田辺監督は「本当に今年は動きがいい。40本は普通にいけばクリアできる」と目を細めた。キャンプ序盤にして、この仕上がり。どこまで調子を上げてくるか楽しみだ。 (重光 晋太郎)

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