隠善 “縁感じる”由伸師匠と同時引退…球団広報で再出発

[ 2015年12月23日 10:20 ]

13年1月高橋由(手前)と合同自主トレを行う隠善

 隠善は不思議な縁を感じていた。11月23日に東京ドームで行われた引退セレモニー。毎オフ、自主トレをともにしていた「師匠」の高橋由と同じ日にバットを置いた。

 「育成で獲ってもらい、凄い経験ができた9年間。感謝です。全うできた良い野球人生でした」

 06年育成ドラフト4巡目で入団。08年3月に支配下登録され、12年にイースタン・リーグで首位打者を獲得。原前監督が「打撃は天才的」と舌を巻く巧打者だった。今季は8月30日の中日戦(東京ドーム)で2点適時打を放ち「新たなスタート」と意気込んだ矢先、左肩亜脱臼で離脱。10月18日に戦力外を通告された。

 真由美夫人(37)に「もうちょっと続けてほしい」と背中を押され、気持ちは揺れた。高橋監督に電話で相談し「決めるのはおまえだから、俺はどっちとは言わない。家族がいるし、しっかり決断すればいい」とアドバイスされた。子供の将来や肩の故障のことなど悩み抜いた末、ユニホームを脱ぐ覚悟を決めた。

 謙虚で心優しい人柄が評価され、来季は巨人1軍広報として再出発する。「高橋監督の近くでやりたかったのでうれしい。大事なポジションなので球団、監督、選手の魅力を発信して貢献したい」。新指揮官を支え、ともに日本一を目指す。(青木 貴紀)

 ◇隠善 智也外野手(いんぜん・ともや)31歳、9年目。広島国際学院―広島国際学院大。06年育成ドラフト4巡目。

 ▼通算 79試合、打率・265、0本塁打、7打点、3盗塁。

最高年俸1000万円(13、15年)

 ▼思い出 育成ドラフトで入団し、9年間プレーできたこと。

 ▼再出発 巨人広報。

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2015年12月23日のニュース