黒田 来季開幕投手候補に浮上 畝投手コーチ「可能性は十分ある」

[ 2015年12月12日 05:30 ]

広島の黒田

 現役続行を決断した広島・黒田博樹投手(40)が来春3月25日、DeNAとの開幕戦(マツダ)に先発する可能性が浮上した。畝龍実投手コーチが11日、開幕投手候補に挙げ「十分ある」と明言した。実現すればドジャース在籍時の09年以来7年ぶり、日米通算7度目。41歳1カ月15日での登板は、大野豊(本紙評論家)の42歳7カ月に次ぐ年長記録となる。現役20年目、大役は果たして――。

 決して仰天プランとは言えまい。その実績、実力を考えれば十分に現実味のある話だ。畝投手コーチが来季の開幕投手に言及。「ジョンソンか大瀬良か福井か…」と名前を列挙し、来季の現役続行を決めた黒田も候補の1人として挙げた。

 「黒田の可能性は十分ある。開幕投手がいなくなるわけだから、誰にもチャンスがある。皆で獲りにいってほしい」

 3月25日のDeNA戦(マツダ)。黒田が当日に先発を務めれば、ドジャース時代の09年以来、広島では5年連続で務めた03~07年以来9年ぶりで、日米通算7度目の大役となる。41歳1カ月15日での登板は、広島の先輩・大野豊(本紙評論家)の42歳7カ月に次ぐ球界2番目の年長記録だ。畝投手コーチは続ける。

 「(黒田本人は)ピークは開幕じゃなく、シーズン中盤から終盤と言っていたけど、MAXで入って来てくれたしね」

 開幕3戦目の今春3月29日、ヤクルト戦(同)が記憶に新しい。黒田は「状態をピークに持っていくのは夏場以降」と言いながら7回を5安打零封し、復帰緒戦を鮮やかな白星で飾ってみせた。こうした実績、登板試合に向けての責任感の強さが、開幕投手候補たらしめる根拠でもある。

 実際、畝コーチの「皆で(開幕投手を)獲りにいって…」発言は若手を対象にしたものであり、黒田に任せる場合は本人と相談した上での指名だろう。現状の本命は昨季14勝を挙げ、最優秀防御率に輝いたジョンソン。ただ、その仕上がり次第では、ベテランに7度目の舞台がありそうだ。

 「よく残留を決めてくれた。大きいよ。“来年も頼むゾ”と伝えた。軸になり、黒田の戦う姿を背中で皆にまた見せてほしい。(今季は)右足や右肩に不安があったけど、来年は(不安のない)違う形になると思う」

 ここ6年のうち、5度に渡って開幕投手を務めたエース・前田健はメジャー移籍が確実。その一方で、大黒柱の黒田が20年目となる来季の現役続行を決断した。諸手を挙げて喜び、期待感を隠さない畝コーチ。百戦錬磨の右腕が華やかな開幕の舞台に立つなら、ファンは大喜びに違いない。 (江尾 卓也)

続きを表示

2015年12月12日のニュース