小久保監督 「4番・筒香」の理由「なりふり構わない覚悟を感じた」

[ 2015年11月17日 07:14 ]

<日本・プエルトリコ>8回無死、この試合3安打目となる中前打を放つ筒香

プレミア12準々決勝 日本9―3プエルトリコ

(11月16日 台湾・桃園)
 侍ジャパン初4番の初打席。筒香が相手投手をにらみつける。「中村さんがケガをして入った4番。どっしりやっていこう」。初回1死一、二塁。シントロンが外角に投じたツーシームをさばいた。コースに逆らわず、逆方向の左前へ先制打。「代役4番」がチームを軌道に乗せた。

 「変な緊張感はなく、いつも通りでした。プレッシャーもなかった」

 前日のベネズエラ戦で右足の不調を訴えた中村剛に代わって4番に入ることを、球場入り後のミーティングで言い渡された。3回、8回にも中前打し、3安打と重責を果たした。小久保監督は昨夜までは中田を4番に据えることを考えていた。しかし守備のミスを犯した筒香が、まだ観客が残る中で黙々と左翼でノックを受ける姿を見て思い直した。「暗い球場で、なりふり構わない覚悟を感じた。その思いをくんでの4番です」と指揮官。「5番・筒香、6番・中田」を上にスライドさせて組んだ「4番・筒香、5番・中田」が機能した。

 国際大会での適用力がすさまじい。動かす球を多投する外国人投手に対し、引きつけて中堅から逆方向に打ち返す打撃を徹底している。「かなり動く球が多いので、引っ張ろうとすると凡打になる」と説明する。20打数9安打は打率・450。全安打のうち、89%の8本を中堅から左方向に運んでいる。打席では打ち気を抑え、自身を落ち着かせる。「前で打とうとしすぎると凡打になる。引きつけてコースなりに打てている」と胸を張った。

 台北には多くの観光名所があるが、「行ってません。野球に集中したいんです」と静かに話した23歳。試合のなかった13日は、休日返上で控え組の練習に志願して参加した。準決勝の相手は韓国に決まり、「韓国は強い相手ですが、僕たちは世界一を目標にやってきている」。多くの日本人が球場を訪れ、右翼席からは横浜スタジアムでおなじみの応援歌が熱唱された。ハマの4番は、日本の4番へと成長した。 (神田 佑)

 ▼中田(4打数無安打)みんな凄く状態がいいと思う。(自身の状態は)変わらないけど、ちょっとミスショットがあった。

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