高松商 公立校で16年ぶり決勝 V候補の大阪桐蔭に大金星

[ 2015年11月17日 05:30 ]

<高松商・大阪桐蔭>力投する高松商先発・多田

明治神宮野球大会第4日・高校の部準決勝 高松商7―6大阪桐蔭

(11月16日 神宮)
 高校の部は準決勝2試合が行われ、37年ぶり出場の高松商は、優勝候補の大阪桐蔭を撃破。エースの登板回避で急きょ先発した多田宗太郎投手(2年)が7回2/3を6失点ながら粘りの投球で初の決勝に導いた。今春センバツ優勝の敦賀気比は青森山田を破り、準優勝した99年以来の進出。大学の部は準々決勝2試合が行われ、東海大と上武大が準決勝に進出し、4強が出そろった。

 大金星だ。古豪の高松商が公立校では、99年に優勝した四日市工以来の決勝進出を決めた。強豪・大阪桐蔭の追い上げを振り切った就任2年目の長尾健司監督は「10回、いや20回対戦して1回あるかないか」と笑った。

 初戦の札幌第一戦で2失点完投したエース浦が急性ウイルス性腸炎で登板回避する非常事態。右腕・多田は試合開始30分前に先発を伝えられた。「名前負けしないことだけを考えた」と、90キロ台のカーブでタイミングを外し、7回まで3失点。8回2死から5連打を浴びて降板したが、二塁から回った公式戦初登板の美濃が一、二塁のピンチを切り抜け、9回も1点リードを守り切った。

 第1回のセンバツ優勝など春夏計4度の全国制覇を誇るが、96年夏を最後に甲子園から遠ざかる。創部100年を超す同校のOB会が資金を募り、2年前に室内練習場が完成。打撃練習の量を増やし、この日も12安打7得点で大阪桐蔭に打ち勝った。伝統のソックスには夏の全国優勝を示す白2本線、春の全国優勝を示す赤2本線、国体優勝を示す黄1本線。次はセンバツ王者を倒し、神宮大会初優勝で6本目のラインを刻む。

 ▽公立校と全国大会 設備や資金面をはじめ、監督が教員の場合、異動のため継続して指導できないなどの理由で公立校が全国大会で上位進出するのは難しいとされる。夏の甲子園の決勝進出は07年優勝の佐賀北が最後で、その前は96年の決勝を戦った松山商(愛媛)と熊本工だった。センバツでは09年の清峰(長崎)が最後で、95年以来の公立校優勝を果たした。

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2015年11月17日のニュース