警官まで動員!早実・清宮“怪物シフト”超厳戒大阪移動

[ 2015年8月3日 05:30 ]

超厳戒ガードを受け新大阪駅に到着し、移動のバスに向かう清宮(右から2人目)ら早実ナイン

 「和製ベーブ・ルース」を守れ!第97回全国高校野球選手権大会(6日から15日間、甲子園)に出場する早実(西東京)の清宮幸太郎内野手(1年)が2日、大阪入りした。新大阪駅では大阪府警の警察官が動員されるなど、混乱を避けるために徹底ガード。大会前の移動の際に特別な警備態勢が敷かれるのは極めて異例だ。100年目を迎える大会の組み合わせ抽選会は3日、大阪市のフェスティバルホールで49代表校が参加して行われる。

 午後5時33分、夕暮れの新大阪駅。夏休み中の日曜日とあって家族連れも多く見られる中、ホームは物々しい雰囲気に包まれていた。大阪府警の警察官2人が周囲に目を配る。日本高野連関係者の姿もあった。新幹線から次々に降りてくる早実ナイン。制服姿にリュックを背負った清宮の姿はひときわ目立っていた。

 降車後は駅員4人が列の前後に付くなど約10人がガード。一般客でごった返す中、足早にバスに乗り込んだ。甲子園出場チームの大阪入りに、大阪府警の警察官が動員されるのは極めて異例のこと。関係者が「侍ジャパンが昨年の日米野球で新大阪駅を利用した時と同じ態勢」と明かすほどの厳戒ぶりだった。

 高校通算13本塁打のスラッガーは1年生にして、注目度は大会No・1。出発地の新横浜駅でも「清宮シフト」が敷かれた。午後2時30分頃に早実ナインを乗せたバスは到着していたが、同2時55分まで車内待機。バスから降りるとホームまで約100メートルの距離を一目散に進み、同3時19分発の新幹線に乗り込んだ。

 そのわずかな距離でも鉄道警察隊6人、警備員3人、駅員4人が万が一に備えてガードし、規制線を張るためのロープも手にしていた。「注目の選手ということで混乱が起きないように」とJR東海広報担当者。同じ新横浜駅から一足先に出発した東海大相模(神奈川)を見送り後、偶然居合わせた神奈川県高野連関係者は「松坂(大輔)の時でも出発の時はこんな厳重じゃなかった」と驚きの表情を浮かべた。

 厳戒態勢の中での移動となったが、大きな混乱もなく、午後6時すぎに尼崎市内の宿舎へ到着。西東京大会優勝後も甲子園が「待ち遠しくて仕方ない」と話していた清宮は、バスからジャンプして降りると「WASEDA」と入ったエンジのタオルを手に宿舎へ入っていった。

 日本高野連は、すでに宿舎の変更を行ったほか、今後の練習に支障を来さないように、混乱を避けるための対応策を協議している。

 「注目されてナンボ。たくさん入ってほしい」とフィーバーは大歓迎の清宮。3日は甲子園見学会。怪物スラッガーがいよいよ、聖地に足を踏み入れる。(松井 いつき)

 ≪過去の厳戒警備≫

 ☆荒木大輔(早実) 1年生だった80年夏の甲子園で準決勝まで5試合で4完封。「大ちゃんフィーバー」が巻き起こり、8月23日に帰京した時には東京駅で約120人の警察官、駅員らが警備。東京駅長が誘導してナインは山手線へ乗り換え。電車の中でも車両にファンが殺到した。

 ☆松坂大輔(横浜) 98年に春夏連覇。8月23日に凱旋した際には新横浜駅が大混乱。約5000人のファンが集まり警備には機動隊50人、鉄道警察隊約40人、港北警察署員約30人、駅員約20人の計約140人が動員された。松坂らは一般改札口ではなく団体専用口から「脱出」したが「叩かれたり手を引っ張られたり痛かった」。

 ☆斎藤佑樹(早実) 06年に夏の甲子園初優勝を成し遂げ一躍アイドルに。帰京の際の新大阪駅では一般の改札口を通らず、02年サッカーW杯日韓大会で日本代表も使用した地下の特別通路からホームへ。ホームでは警察官、警備員30人のうち15人、さらに学校関係者が斎藤を取り囲んだ。東京駅では約1000人のファンが待ち受けた。

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