楽天・松井裕 球団記録22Sも「目標はここではない」

[ 2015年8月3日 05:30 ]

<オ・楽>球団タイ記録の22セーブ目を挙げ、マスコットのクラッチ(右)と「22ポーズ」の松井裕

パ・リーグ 楽天3-0オリックス

(8月2日 京セラD)
 勝利の瞬間だけは19歳らしい屈託のない笑みを浮かべた。3―0の9回1死一塁。楽天・松井裕は宮崎を二直併殺に仕留め、球団記録に並ぶ22セーブ目をマークした。

 「セーブというのは一人でできる記録ではない。点を取ってくれた野手、つないでくれた先輩投手の皆さんに感謝したい」

 すっかり守護神の風格だ。先頭の4番・中島には7球全て直球勝負。右前打されたが「一塁側へのファウル。ボールが走ってなくはない」と手応えをつかんだ。続く、T―岡田を外角直球で見逃し三振に斬るなど、全17球のうち、変化球はわずか2球。最速147キロの直球で強気に攻めた。

 前回31日のオリックス戦(京セラドーム)は2回51球を投げ、4四球を与えた。チェンジアップの多投でフォームに微妙なズレを感じていた。すると、この日の練習中に異例のブルペン入り。「傾斜を使ってリリースポイントを確認した」。現在の状態を冷静に見極めて修正する能力は、救援転向1年目とは思えない。

 最近はルーティンも固定化された。4回が終わる頃にコンタクトレンズを着用。5回にベンチ付近からグラウンドをのぞき、雰囲気をつかんでから、ブルペンに向かう。救援転向直後は肩をつくるのに20~30球要していたが、今は10数球。経験を積みながら、自分に合う調整法を見つけている。

 防御率は0・56で、セーブ機会失敗は一度もない。青山の球団記録に並んでも「目標はここではない。まだまだ試合があるのでそっちに向けて」ときっぱり。見据える先は高卒2年目では初の30セーブだ。 (徳原 麗奈)

 ▼楽天・青山(12年に球団記録の22セーブ)安定感がある。すぐ抜かれると思っていた。40セーブぐらい、いってほしい。

 ▼楽天・美馬(5回無失点で3勝目も右肘に違和感を感じて6回の投球練習中に降板)6回まで投げたかったが…。

 ≪最多平井27Sあと5≫松井裕(楽)が今季22セーブ目。シーズン最多Sは05年岩瀬(中)、07年藤川(神)の46Sだが、楽天では12年青山に並ぶシーズン最多記録になった。なお、22S到達時の成績を青山と比較すると

 試 [勝][敗] 防御率  奪三振率

青60 5  4  2・54 7・63

松40 2  1  0・56 13・13

 松井裕は20試合も早く、防御率、奪三振など内容面でも圧倒している。また、高卒2年目以内のシーズン最多Sとなる95年平井(オ=2年目)の27Sには、あと5に迫った。

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