おかわり 8度目20号!清原、秋山に続いた球団3人目

[ 2015年6月22日 05:30 ]

<オ・西>2回無死、先制本塁打を放ち、河田コーチ(左)に迎えられる中村

パ・リーグ 西武8-0オリックス

(6月21日 京セラD)
 西武・中村剛也内野手(31)は21日、オリックス戦の2回に金子千尋投手(31)から右翼席に先制の20号ソロを放った。自身8度目の20本塁打到達は秋山、清原の「AK砲」以来、球団3人目。本塁打王争いでもトップに並んだ一発が打線に火をつけ、昨季3試合24回1/3を無失点に抑えられた金子を6回4失点KOした。天敵討ちで2連勝と勢いをつけ、23日から首位・ソフトバンクに挑む。

 代名詞の引っ張りではなかった。中村がやや外角に投じられたフォークに合わせる。力感のないスイングから放たれた打球は右翼席へ。「手応えはまずまずでした。なんとか先制点が欲しいと思っていたのでね、良かったですね」。逆方向への一発を柔らかい口調で振り返った。

 0―0の2回、先頭の打席。3ボールから直球を見逃すと、そこから3球ファウルが続いた。フルカウント。金子の抜け球に体を一塁方向に倒しながら、タイミングを合わせた。20号ソロは、今季3本目の右方向。相手エースにチームは昨季、3試合24回1/3で27三振を食らい、無失点に抑えられた。自身も4打数無安打で1三振。かつて「打てる気がしない」と漏らしたこともある。チームの苦手意識を一蹴した4番は、4回にも左前打。6回にはメヒアが3ランを放ち、6回4失点で打ち砕いた。

 8度目となる20号到達は秋山、清原以来、球団3人目。飛距離を生み出す秘密の一つは体の柔軟性にある。1メートル75、102キロの巨漢ながら股関節が柔らかく、試合前の打撃練習でケージの裏で力士のように「股割り」をしながら順番を待つ姿があった。両足を伸ばして座り、上半身をかがめて股関節をほぐす。田辺監督は「股関節が柔らかいから、しっかりタメをつくることができる。飛距離も出る」と解説する。

 軸足(右足)にしっかりと体重を乗せて左足を内側に入れると、スイング時に一気に力を解放する。柔軟な股関節がスムーズな体重移動を生み、体が開かない。オフには西武第2球場の室内練習場で、スタンドに球を置き、3秒ほど左足を上げて「一本足」で打つ練習を繰り返してきた。

 全67試合中、休養した1試合を除いた66試合に「4番・三塁」で出場する。蓄積疲労を考慮した指揮官からリーグ戦再開前に、「DHで出るか?」と声をかけられたが「三塁で大丈夫です」と即答。この日は、9回にも左翼線適時二塁打し、3安打2打点と暴れた。

 63打点は日本ハム・中田に5差のリーグトップで、本塁打数は中田に並んで2冠となったが「どうでもいいので、チームが勝ったのが一番ですね」と意に介さない。父の日に大勝のチームをけん引した3児のパパ。報道陣から知らされたが「そう(父の日)なんですか?知らんかった」。そう笑いながら、愛息の待つ我が家へと帰京した。

 ≪金子から最多9本≫中村(西)が本塁打争いで中田(日)と並ぶ20号。自身20本塁打以上は昨年に続き8度目。シーズン20本塁打以上の最多記録は王(巨)の19度だが、西武では85~93年秋山9度、86~96年清原11度といずれも連続で記録して以来19年ぶり3人目だ。金子(オ)からは11年6月28日に2本放って以来通算9本目。中村の個人投手別本数3傑は(1)金子(オ)9本(2)吉川(日)8本(3)杉内(巨)、田中(楽)6本。金子からの本塁打は吉川を抜いて最多になった。

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