勝利の女神がほほ笑んだ…マイコラス来日初完封!巨人単独首位

[ 2015年6月5日 05:30 ]

<巨・オ>4回2死からT―岡田の大飛球を高橋由が好捕。ガッツポーズのマイコラス

交流戦 巨人1-0オリックス

(6月4日 東京D)
 巨人は4日、オリックス相手に3試合連続の1点差勝利を収め、5月4日以来1カ月ぶりに単独首位に立った。マイルズ・マイコラス投手(26)が5安打9奪三振で来日初完封勝利。1―0での完封は巨人外国人では9年ぶり5人目となった。セ・リーグ相手に未勝利の助っ人が、交流戦に入って2戦2勝で17イニング無失点。激変で投の柱に名乗りを上げた。
【試合結果】

 お立ち台が映画のワンシーンと化した。来日初完投初完封勝利を挙げた“主演男優”のマイコラスは、スタンドのローレン夫人(26)に「きょうもキレイだよ。いつも応援ありがとう」と手を振った。笑顔で見つめる勝利の女神は「ファンタスティック!凄く良い投球で興奮してるわ」と投げキッスのご褒美だ。

 1点を守り、迎えた9回。1死満塁でT―岡田に最後の力を振り絞り、直球を投じた。痛烈な打球が三塁線へ飛び「やられた」と覚悟したが、三塁・吉川が好捕し、併殺で試合が終わった。「テレレ♪テレレ♪」。米スポーツ専門局「ESPN」のニュース番組の中で好プレー映像とともに流れるBGMを口ずさみ「凄く良いプレーだった」と感謝した。

 開幕から約1カ月半、白星がつかず2敗。もがいていた5月中旬、原監督から「何も変える必要はない。ブルペンの投球をマウンドですればいい」と声をかけられた。急がずにゆったりと投げるように助言をもらい、緩急を使えるようになった。この日、縦に大きく割れるカーブは最も遅いものが107キロ。最速152キロの直球と最大45キロ差の緩急でほんろうし、回の先頭打者に一度も出塁を許さなかった。

 美人妻の支えも大きい。料理上手でミートボールやパスタなど手料理を毎日、振る舞ってくれる。一緒に買い物へ出掛けるなど異国の地での生活をともに満喫。初勝利を挙げた5月28日の西武戦(東京ドーム)後には都内のステーキ店で食事をしてお祝いした。「一番のファンで、ずっとそばにいてくれる大事な人」。米国時代を含めてプロ初完投となる133球を投げ抜き、最愛の妻に2勝目をプレゼントした。

 今季最多の貯金9で単独首位に浮上。マイコラスに最後まで託した原監督は「非常に安定している。全ての球が良かった」と称えた。巨人の外国人投手では、09年のグライシンガー以来、6年ぶりの完封勝利。自信を取り戻した助っ人は「サイコー!」と絶叫し「疲れて空腹だよ」とおどけた。頭には妻と楽しむディナーが浮かんでいたはずだ。

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